今回は別にロレックスに限ったことではないが、腕時計の適正サイズについて触れてみたい。これが意外と勘違いしている人が多いのである。
もちろん、デザインがよければサイズなんてどうだっていいと言われる人もいるだろうし、とにかく大きくて目立つ、あるいは小さくて品のある時計が好きだという人もいる。手首の太さも違えばサイズに対する考え方は人によって色々だということも、そのとおりである。
そのため当然、時計のサイズなんて本人の好みで決めていいのだが、着用時の見え方やバランス、そして着け心地という点を考えるとケースサイズは意外と重要なことであることも確かなのである。特に筆者もそうだが手首が細い人は、着け心地という点からも時計を選ぶ際により注意したほうがいいだろう。
では、その適正なケースサイズとは何か。腕時計の上下方向(下の写真の赤い線)のサイズが自身の手首の幅よりも内側にちゃんと納まるサイズかどうかということである。「なんだよ、そんなことか」と言われそうだが、これが意外と知られていない。
なぜかというと、メーカーの商品データはもちろん我々のような時計専門雑誌もそうなのだが、腕時計のケースサイズを表記する場合は“ケース径”、つまり3時位置から9時位置までの左右幅(リューズを除く)の直径を表示することが一般的だからだ。
しかし、実際に日常的に着けることを考えると、着け心地や見え方にいちばん影響するのがケースの上下方向のサイズ。特に手首の細い人は要注意で、手首の幅よりもラグがはみ出してしまう大きさの時計だと、ブレスタイプが中心のロレックスの場合は、ラグと手首の間に隙間ができるなど時計が安定しないうえに、ヘッド部にブレスレットが隠れて見えないこともあって頭でっかちに見えてバランスもあまりよろしくない。
実は筆者も39mm径タイプのエクスプローラーを所有しているが、まさにこの状態で時計のヘッド部だけが手首に乗っかっているように見える(笑)。そのためいまでは手首になじむ36mm径タイプのエクスプローラーばかりで、39mmはだんだん着けなくなってしまった。
このように時計を複数所有していると、どうしても着けやすいものが使用頻度も高くなる。もちろんデザインや性能も大切だが、長く愛用するのであれば、やっぱり着け心地は無視できない。その意味でも狙っている時計があるのであれば、自分にとっての適正サイズかどうかということも、選ぶ際のポイントにぜひ加えてみてほしい。
【こんな記事もおすすめ】
■【いくらで売れるのか?】買い取り相場と売る際の留意点とは!
■ロレックスが価格改定を実施。並行実勢価格の20年間を振り返る!
■デイトナの新作ルマン24時間SPが入荷。実機拝見、その驚きの実勢価格とは!
■福島第一原発の「トリチウム」。90年代以前の腕時計はそれによって逆に価値が上がる!?
■主要11モデルの週刊ロレックス相場(10月13日更新)