うだるような暑さだった異常な夏も終わりに近づき、ようやく秋の気配が感じられるようになってきた。これからはひと雨ごとに深まっていくことだろう。
さて、秋と言えば、グルメ、旅行、ファッションなど楽しみはいろいろ広がる魅力的なシーズンだが、時計好きにとっては、これらに加えて防水性が低い古い時計が着けられるようになる、そんな頼もしい季節でもある。
そこで今回のロレックス通信は、この秋の提案として、18金イエローゴールドケースを使ったちょっと古い旧型のデイトジャストを紹介したいと思う。実は筆者もいま狙っている時計のひとつなのである。
日本人の場合は、18金ゴールド製腕時計に対して成金趣味などと言われて敬遠されていた時代が以前は確かにあった。しかしいまとなっては、ダイヤモンドなどがセットされたゴージャスな宝飾時計は別としても、シンプルな金ケースの腕時計の場合は、そのようなネガティブな風潮はだいぶ薄れたように感じる。
おそらくは以前と違って、時計自体のデザインもかなり洗練されていることに加えて、ファッションスタイルの多様化も大いに関係しているのだろう。
さて、ここに取り上げた第3世代デイトジャストのゴールドモデルだが、本来は18金イエローゴールド製のジュビリーブレスレットが付くが、流通数が極めて少なくかなりの高額。
しかし、現在は革ベルト仕様での流通が一般的になっているため、予算もだいぶ抑えられるうえ、ブレスに比べて見た目にも金の面積がだいぶ減るため逆に使い勝手はいいなど意外にハードルは低いのだ。
筆者も18金ゴールド製の腕時計を所有しているものの、すべてクラシックなドレスウオッチのためカジュアルな装いにはあまり似合わない。その点、デイトジャストはスタンダードなデザインのため、この革ベルト仕様であれば嫌味がなく着けられて、どんなファッションにも合わせやすいのでは、と思った次第。
しかも、ショップに聞いたところによると、同じデイトジャストの第3世代でもステンレスやコンビモデルと若干ケースの形状は違うために、革ベルトをセットしてもケースとブレスとの隙間があまり目立たないため雰囲気はいちばん良いらしいのである。
現在の実勢価格は90〜120万円といったところ。なお購入の際は、時計にセットされている革ベルトの尾錠はロレックス純正のものを選びたい。
【SPEC】
製造期間:1960年代〜1970年代後半
型番:Ref.1601/8
素材:K18YG(36mm径)、プラスチック風防
防水性:50m(当時)
駆動方式:自動巻き、Cal.1565(毎時1万8000振動)、1965年頃からはCal.1575(毎時1万9800振動)※キャリバー番号の末尾「5」はデイト付きを表す
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