チューダーがアメリカ海軍ダイバーたちの腕元で任務を支えたチューダーウオッチにオマージュを捧げた、新しい“ぺラゴス FXD”を発表した。1950年代半ば、チューダーのダイバーズウオッチは米海軍の検査を受け、軍内の複数のチームにより評価されていた。58年には正式に採用され、さまざまな部隊で活動するダイバーたちに支給するために購入された歴史をもつ。新たにリリースされる“ペラゴス FXD”は、この時代のミッションウオッチの精神を継承している。“FXD”という名称はケースにストラップバーが固定(Fixed)された極めて頑丈な構造に因んだもので、この時計の背景を暗示しているのだ。
ペラゴス FXD(Ref.25717KN)
数十年にわたり、ミッションウオッチのサプライヤーとして米海軍をサポートしてきたチューダー。新しいペラゴス FXDの意匠は、60年代後半から80年代前半にかけてアメリカ海軍の隊員たちが着用していたチューダーのダイバーズウオッチ、往年の“ミリサブ”(ミリタリー サブマリーナーの略称)を、現代の技術を駆使した高性能かつ堅牢な時計として再定義している。外観は60年代後半のチューダー オイスター プリンス サブマリーナー(Ref.7016)を彷彿とさせる。固定バネ棒のような米軍仕様ならではの要素に加え、初期のチューダー サブマリーナーに見られたポインテッドクラウンガードのような、異なる時代のチューダー ウオッチから着想を得たディテールも取り入れられている。時計全体のカラーはブラック。そして暗闇の使用でも発光強度を最大化させるために1969年に導入された、スクエアが先端に付いた“スノーフレーク”針やスクエア型アワーマーカー。他にも、発光塗料を用いたサンドブラスト仕上げのセラミック製インサートと逆回転防止ベゼルを採用している。さらに、42mm径チタニウム製ケース全体にサテン仕上げを施し、そのマットな質感によって光の反射を制限している。
アメリカ海軍のダイバーは歴史的に、主にナイロン製のブラックまたはグリーンのファブリックベルトを装着してチューダーの時計を使用していた。ぺラゴス FXDに付属する二つのベルトは、このミリタリー的伝統から着想を得てさらに工夫を加えたものだ。中央にレッドのラインが入った、セルフグリップ着脱システム付きのグリーン ファブリックストラップが初期設定となっている。さらに、テキスタイルモチーフがエンボスされたブラックのラバーストラップも付属する。
ぺラゴス FXDに搭載されたマニュファクチュール キャリバー“MT5602”は時針と分針、秒針を備えている。他のチューダーのマニュファクチュール キャリバー同様に、モノブロックのタングステン製ローターはオープンワークで細部にサンドブラストを伴うサテン仕上げ、さらにブリッジとメインプレートはサンドブラスト表面とレーザー装飾が交互に施されている。
堅牢性、耐久性、信頼性そして精度を兼ね備えたこのムーヴメントは、2ヶ所で固定されたトラバーシングブリッジによって維持される可変慣性テンプを有している。また耐磁性シリコンバランススプリングを備えるほか、MT5602はスイス公認クロノメーター認定を取得している。規定ではムーヴメントの状態で日差が“-4秒から+6秒”を基準としているが、チューダーはさらにその上、腕時計として組みあげられた状態で日差が“-2秒から+4 秒”という、より高い基準を達成している。その他の特筆すべき特徴は約70時間のパワーリザーブ。それは金曜日の夜に腕時計をはずし、月曜日の朝に身に着けたときに再びゼンマイを巻く必要がないことを意味する。
現代における究極の“ミリサブ”として、ストラップバー固定構造、チタニウム製ケース、高性能マニュファクチュール キャリバーと経過時間計測が可能な逆回転防止ベゼルを備えるチューダーの新作モデル“ぺラゴス FXD 25717KN”。販売価格は54万100円で2023年9月より、順次発売される。
【問い合わせ先】
TUDOR(https://www.tudorwatch.com/ja)
文◎Watch LIFE NEWS編集部
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