セイコーウオッチは、“セイコー プレザージュ”クラフツマンシップシリーズより、“琺瑯(ほうろう)”と“漆(うるし)”、二つの伝統工芸を文字盤に採用する3種類の新作モデルを10月7日(土)より発売する。
時計好きには改めて説明する必要もないかもしれないが、セイコー プレザージュは機械式ならではのクラシカルな魅力をありのままに伝えながら、世界に向けて日本の美意識を発信するセイコーの時計ブランドだ。時計愛好家から機械式時計に興味を抱くビギナーまで幅広いユーザーから、日本ならではの丁寧な作り、伝統工芸を取り入れた意匠など、独自のアプローチが高い評価を得ている。今回紹介する“セイコー プレザージュ”クラフツマンシップシリーズの新作モデルもそんな設計理念のもとで、文字盤、ケース、ブレスレットの造形を新たに見直し、洗練させた。
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長く愛用してほしいとの想いからオーソドックスな3針時計のレイアウトを採用した今作だが、その見どころはなんといっても奥深い美しさを備えた文字盤だろう。金属を用いた立体的なインデックスと琺瑯や漆など日本の伝統工芸を取り入れた文字盤を組み合わせ、コントラストを高めた印象的な顔立ちを生み出している。
温もりある白色とみずみずしい艶を持つ琺瑯(ほうろう)ダイアルは、青い針とグレーのインデックスが彩りを加え、その美しさを更に引き立てている。製作には気温や湿度に合わせて釉薬の各成分比率を調整するなど高い技量が求められるため、琺瑯職人の横澤満氏の手作業で丁寧に焼き上げられており、琺瑯でしか表現できない、艶やかな光沢と色褪せない美しさが魅力となっている。
横澤 満(よこさわ みつる) 富士琺瑯工業株式会社(1971年入社)。つくば工場 技術顧問。塗布面の厚さわずか0.01mm刻みの仕上がりを見抜く眼力を持つ匠。繊細に造り込まれるダイヤルに琺瑯を施すことができる日本有数の職人だ。
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漆(うるし)ダイアルは、金属と漆を直接結びつける革新的な製造手法と、平滑面を生み出す古来伝承の技を組み合わせ丁寧に作られる。漆芸家(しつげいか)田村一舟氏の監修により、多くの漆器職人が携わり、何十回も塗っては研ぐ作業を繰り返すことで、漆独特の艶やかな黒色を生み出した。白色の時分針とインデックス、金色の秒針がアクセントとなり、よりコントラストを高めて漆の美しさを引き立てている。
田村 一舟(たむら いっしゅう)
1957年(昭和32年)生まれ。石川県金沢市在住。清瀬一光師に師事し金沢に伝わる伝統工芸“加賀蒔絵”を習得後、世界に類を見ない独自の細密技法を生み出しました。漆器のみならず、加賀蒔絵をあしらった高級万年筆や腕時計を制作。その極めて緻密な技術による精緻な美しさが、世界的に高い評価を受けている。 |
今回発売される二つのモデルは、いずれも文字盤における工夫以外に、分針と秒針の先端をダイアル側に曲げることで目盛との距離を近づけ、時刻の読みやすさを追求している。クラシカルながらも柔らかさと強さの共存する造形のケースは、文字盤の美しさを引き立てるとともに、仕上げ分けを施したエレガントな5列ブレスレットとの組み合わせで、腕に心地良くなじむ。また、ケースとブレスレットの表面を傷から守るため、独自開発のダイヤシールド加工も施しているのもセイコーならではのこだわりと言えるだろう。さらに今回の新作にはクラフツマンシップシリーズとして初めて約72時間パワーリザーブを備える機械式ムーヴメント、キャリバー“6R55”が搭載されており、これまで以上に利便性が高められている。
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文◎Watch LIFE NEWS編集部
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