O.G Watches(オージー・ウオッチ)は、時計愛好家のオリバー・ギャラガーによってイギリスで設立された、日本未上陸の独立系ウオッチブランド。 祖父と父の進取の気性に倣い、ギャラガーはその情熱を受け継ぎ、時計ブランドを立ち上げた。
ギャラガーが腕時計に興味を持ったのは、彼の祖父が晩年愛用していた腕時計がきっかけだったのだが、ギャラガーの祖父も父も情熱の追求のために型破りな道を歩んだ、独立クリエーターだった。祖父のガイは、世界で初めて男性用の透明な染毛剤を開発した異色の人物である。
第二次世界大戦で機械技師中佐として従軍したのち、彼は“ブリストル・リピティション”と“タロン”という会社を設立、彼の新ブランドのペンの製造工程を自動化する機械を発明しており、1961年には金型装置と筆記具でいくつかの国際特許を取得する。彼の会社タロンは “今日のエンジニアによる、明日のエンジニアのためのデザイン”というキャッチフレーズで、子供向けの建設用玩具セットを製造することになる。
そんなガイは熱心なカーレーサーで1950年代初頭、ジョー・フライが運転するブリストル製アレンゴのプロトタイプが、イギリス西部のブリストル郊外のラルスゲートで開催された500 c.c.イベントで数台のクーパーを抑えて優勝し、大きな話題となったようだ。
ギャラガーの父・ジョンは装飾芸術家で画家でもあり、ブリストルのブルネル大学で教鞭も執っており、大理石や木材の模倣を得意としていた。ギャラガーの母・スーは作家でアーティストとして国際的に知られている。
ギャラガーは型破りな道を歩んできた家系の環境でインスピレーションを得てきた。祖父、父、そして母からの教えにより、ギャラガーは自分にも創作活動ができるという考えを持つようになったのだ。今回は自分の直感とビジョンに従う人のための、O.Gウォッチ初の腕時計、ディープ・スペースを紹介する。
この時計をデザインするにあたり、ギャラガーは可動部品のない時計の文字盤を想像し、テクスチャーとトーンによって動きを作り出した。 彼が想い描いたのは、星の散らばる明暗の閃光、すなわちディープスペースとなる。 ディープ・スペースはケースサイズ41mm、厚さ10.4mmの316Lスティール製。ケース表面はポリッシュ仕上げとサンドブラスト仕上げのコントラストが施されている。
文字盤は斜めにサテン仕上げだが特殊なコーティングが施されているため、光がまるで流れ星のシャワーのように反射し、明暗の濃淡が点滅する。シンプルなデザインのため、フローティング・チャプター・リングの下には時間と分だけが配置され、文字盤に奥行きにフォーカスを与えている。文字盤に描かれている星は、ひとつひとつ手作業でエングレービングされている。 時計の幾何学的な針は、本体と先端がサンドブラスト仕上げのツーピース構造となっており、ヴィンテージスタイルのリューズと、時計のムーヴメントを見せるオープン・サファイア・ケースバックとなっている。
時計のムーヴメントである、ギャラガーの祖父にちなんで名づけられたGuy-1は、O.Gウォッチ専用の設計と構造を持ち、ドイツ東部・ザクセン州のグラスヒュッテで製造され、テストされた自動巻きムーヴメントは、アンティークの懐中時計のムーヴメントと古典的な時計製造にインスパイアされたデザインとなっている。 Guy-1はゴールドのペルラージュとジュネーブストライプの装飾となっている。
このディープ・スペース・ウォッチは歴史ある時計製造の小さな町・グラスヒュッテで、熟練した時計職人と装飾職人のチームにより組み立てられている。 O.Gウォッチのウェブサイトから購入可能で限定10本、永久保証付き。販売価格は7800英ポンド(約140万円)。
》O.G Watches(オージー・ウオッチ)
公式サイト
https://www.olivergallaugher.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/
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