セイコー、シチズン、カシオ、オリエントスターなど、海外でも人気の高いグローバルブランドに加え、ここ数年で急速に新興ブランドが数を増やしている日本の時計界。ここからは、編集部が注目する最新動向とともに、日本発信の時計ブランドを一挙に紹介していく。
先進技術を取り入れたウオッチメイキングで海外ブランドとは異なる進化を続けてきた日本の時計ブランド。近年はセイコー、シチズン、オリエントなど、ムーヴメントを自社で手がけていた日本の大手時計メーカーが機械式ムーヴメントの開発を強化する傾向が顕著となっている。
ハイエンド機から、手頃な価格の汎用機まで、幅広い価格帯で国産の機械式モデルがラインナップを増やしているが、大手メーカーが機械式時計を拡充する傾向は、機械式時計を展開する新興国産ブランドの創設にも大きな影響を与えた。大手メーカーから汎用ムーヴメントの供給を受け、独自に機械式時計を展開する新興ブランドがここ数年で数を増やしているのだ。
なかには新作のリリースがなく休眠状態に近いブランドもあり、玉石混交の状態である点は留意しておきたいが、クオ、アウトライン、ミルコなど、継続的に新作を発売しているブランドも散見される。こうしたブランドは、知見を積み重ねて時計の品質を高めているため、ぜひ今後の動向もチェックしておきたい。
【注目のトピックス】
和柄ダイアルが面白い!
“有田焼”や“漆(うるし)”など、国産ブランドの新たな付加価値として注目されている伝統工芸を取り入れた意匠。近年は“麻の葉”など、伝統文様や柄を採用したモデルもラインナップを増やしている。
【編集部の注目モデル】
Maker's Watch Knot(ノット)
プレミアムオートマティックモデル 螺鈿「墨色」
“螺鈿(らでん)”を文字盤に取り入れた会津伝統工芸師とのコラボレート第2弾。“墨色”ではオリジナルの技法で色味をシックに抑え、伝統をモダンに昇華させている。
■時計:AT-38SVJRBK-R。SS(38mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.MIYOTA、Cal.9015)。8万2500円。ストラップ:コードバン。SOC-18BK。8800円(バックル別売り)
【問い合わせ先】
Maker's Watch Knot
TEL.0800-555-7010
【編集部の注目モデル】
セイコー プレザージュ
SARX077
2020年に登場したシャープエッジドシリーズ。麻の葉をイメージした伝統紋様を文字盤に採用して日本独自の美学をデザインに取り入れつつ、華美な装飾をそぎ落とすことで現代的な雰囲気が強調された。
■SS(ダイヤシールド加工/39.3mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.6R35)。11万円
【問い合わせ先】
セイコーウオッチお客様相談室
TEL.0120-061-012
【編集部の注目モデル】
ルノータス
艶(つや)
着物などに採用された日本古来の和柄を文字盤に取り入れた新コレクション。写真の艶(つや)のほか、煌(こう)、雅(みやび)、涼(りょう)、雫(しずく)、華(はな)の全6モデルがラインナップされている。
■SS(38mm径)。5気圧防水。自動巻き(Miyota82S0)。3万9600円
【問い合わせ先】
ルノータス
TEL.0743-83-0477