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そうだったのか【ロレックス、オメガ、ブライトリング】伝説のクロノグラク、そのエピソードとは!

去る2月11日の記事では「【男の物欲を刺激する】“クロノグラフ”に個性を与える12の計測スタイル」(関連記事参照)と題して、分積算計などの配置に着目してみたが、今回は時計史にその名を残す伝説のクロノグラフの中から、愛好家の間でも常に人気の上位にくる、ブライトリングのナビタイマー、オメガのスピードマスター、そしてロレックスのデイトナについて、それらの初代はどんなモデルだったのかを簡単に紹介する。加えて現在どのように変わっているのか比較できるよう、写真も掲載させていただいたので併せてチェックを!

ブライトリング|ナビタイマー

ナビタイマーの初代モデル、ゴールドモデルは特に希少

ブライトリングと言えば、かなり早い段階からクロノグラフの開発に積極だった時計メーカーのひとつである。現にブライトリングは今日クロノグラフの一般的なスタイルである、2時と4時位置にプッシュボタンがある2プッシュ方式を開発して特許を取得。1933年にクロノグラフ“プルミエ”に採用された。これが操作性に優れることからそれ以降は徐々に二つのボタンでクロノグラフを操作する手法が定石となり今日に受け継がれていったと言われるほどだ。

そしてブライトリングはもうひとつ世界初となる画期的なクロノグラフを開発している。それはクロノグラフに回転計算尺を装備するというもので、第2次世界大戦中の1942年に登場する“クロノマット”に採用された。そして、ここに取り上げたナビタイマーは、戦後の本格的な航空機時代到来を見据え、より高度な機能を盛り込んだ航法計算専用の回転計算尺“タイプ52”が採用されて1952年に登場したその進化版である。この計器然とした文字盤を埋め尽くす緻密な目盛り類に惹かれる人は多い。

オメガ|スピードマスター

スピードマスターの初代モデル、ベゼルの目盛りが消えているが実際にはあった

シーマスター300の派生モデルとして1957年に登場した写真の初代スピードマスター。ただ、この名前を聞いて真っ先に思い浮かぶのはやっぱり“ムーンウオッチ”である。月への有人宇宙飛行計画“アポロ計画”をスタートさせたNASA(アメリカ航空宇宙局)は、装備品として宇宙飛行士が着けるクロノグラフを選定するために各メーカーに依頼。過酷な選定テストを経てロレックスなど競合メーカーの中からオメガのスピードマスターが公式装備品として選ばれた。

1969年7月21日。日本でも多くの人がテレビの前で釘付けになったであろう、アポロ11号による人類初となる有人月面着陸。月に降り立ったパイロットのバズ・オルドリンの映像が流れ、その時に彼の腕にはスピードマスターが装着されていたことは有名な話だ。そしてムーンウオッチの称号とともに「世界で初めて月に降り立った腕時計」として、その名を歴史に刻んだというわけである。ちなみに実際に携行されたのは64年に登場したスピードマスター第4世代だ。写真のような矢印型のアロー針ではなく細みのペンシル型針にリューズガードの役目も兼ねたいわゆる非対称ケースが採用されているなど見た目にはほぼ現在のモデルと同じである。

>>>次のページでロレックスのコスモグラフ デイトナについて

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