1882年にスイスのル・ロックルでアリスト・カラムが創設した時計工房を原点に持つスイスの時計ブランド、ゾディアック。
1953年に当時としては画期的な20気圧防水を備えたスーパーシーウルフを発表して実用時計のジャンルで人気を博したほか、70年代にはミステリーダイアルを採用したアストログラフィック、オリンポスなど、スペースエイジデザインのシンボルとなるアイコニックな名作を数多く輩出している。
70年代以降は様々な資本に買収される不遇の歴史を辿り、一時は本格機械式時計の製造自体を休止していたが、現在は機械式時計の製造を復活させ、過去の名作をベースにしたコレクションを展開している。
本作もそうした新生ゾディアックのコンセプトを象徴するモデルのひとつ。代表作であるスーパーシーウルフにワールドタイム機能を加えた派生モデルであり、オリジナルモデルは60年代に発売されている。メカニカルでアイコニックなデザインと実用性の高さが魅力だ。
》スーパーシーウルフ ワールドタイム
1950年代に誕生した“ゾディアック”の代表作シーウルフ”の派生モデルとして60年代に製作されたワールドタイムの復刻版。60年代のオリジナルモデルは36mmと小振りなサイズであったため、復刻版では現代のニーズに合わせて直径40mmのケースを採用。サイズアップによりスポーティな印象が強められた一方で、文字盤、ケースを含めてアレンジを加えることなくオリジナルの意匠を継承しているのが素晴らしい。60年代のノスタルジックな雰囲気とデイリーでガンガン使える実用性を両立している。
【製品スペック】
■品番:ZO9409(ブラック)、ZO9410(レッド)
■素材:ステンレススチール(サファイアクリスタル風防)
■ケース径:40mm、ラグの上下幅約49mm、厚さ約13.6mm、ラグ幅20mm
■防水性能:20気圧防水(200m防水に相当)
■駆動方式:自動巻き(Soprod C-125)
■価格:27万5000円(ラバーベルト付属)
》1960年代の時計を再現したこだわりの文字盤
文字盤はベースデザインを含めて当時のモデルの意匠と雰囲気を再現。外周にはマットな質感を備えた24時間表示のサークル。サンレイ仕上げを施した中央部分(オリジナルはマット)には分多面カットのアプライドインデックスを配置。サイドに鏡面ファセット、表面にヘアラインと研磨を変えて仕上げたことで、視認性と質感を高めている。
本作は1960年代のオリジナルと比較して4mm大きな仕様となっているが、針の長さを調整(インデックスに届くように計算)したことで、サイズの拡大を意識させない良好なバランスを備えたデザインに仕上げられている。夜光を塗布したバーハンド仕様の時分針、先端に夜光を塗布したGMT針、スクエアの夜光マーカーを備えた秒針と、針の意匠についても60年代のモデルの仕様と雰囲気が再現されている点にも注目したい。