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【気になるちょい古時計|no.14】手巻きのロービート機を搭載したルミノール・クロノのスペシャルモデル

 パネライはかつてレギュラーコレクションとは別に、毎年、特別仕様が施されたスペシャルエディションという特別モデルをリリースしていた。

 このスペシャルエディションは、パネライがかつて軍用として開発した過去のモデルの復刻であったり、他社とのコラボレーション企画であったりと時計愛好家の心をときめかす魅惑的な存在だった。

 特に他社製の優れたムーヴメントを搭載したものは人気が高く、ここに取り上げたルミノール クロノもそんなひとつである。

 2005年に発表されたこのモデルは、クロノグラフを得意とする名門ムーヴメントメーカーであるレマニア社の手巻きクロノグラフムーヴメント、Cal.1872ベースのOP XVIを搭載した手巻きの2カウンタークロノグラフである。

 Cal.1872がどういうクロノグラフムーヴメントなのかちょっと調べてみたところ、後にオメガの最初のスピードマスターに採用されるレマニア製ムーヴメントCal.27CHRO(オメガ用は12時間積算計を備えた27CHRO C12)をベースに、コラムホイールからカム式に改良が加えられるなど、どちらかというとエボーシュ(他社に供給)用として開発されたCal.1270がベースとなる。

 さらにはメンテナンス製を高めて量産化を目的として作られたもののようである。製造開始されたのは1969年頃で、毎時2万1600振動というロービート機だ。

 それに伴ってルミノールクロノ名としては珍しい2カウンター仕様となったためどことなく古典的な雰囲気が残る。裏ブタはシースルーバック仕様。手巻き式ということもあって自動でゼンマイを巻くための回転ローターがないためオールドムーヴメントならではの緻密なメカニズムを楽しめる。さて、現在の中古実勢価格はというと70万円台といったところだ。

パネライ ルミノール クロノ 40mm
■商品データ
Ref.PAM00215
生産年:2005年
素材:ステンレススチール
ケース径:40mm
防水性:20気圧防水(新品時)
駆動方式:手巻き(OP XVI)
限定本数:300本
当時の税抜き参考定価:97万円

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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