小スライド 意外と知らない時計知識

【Q127】“オートクォーツ”って何?

A.ローターを回転させてエネルギーを貯め、その電力を利用してクォーツ回路とモーターを制御して針を動かす

 一般的な機械式とクォーツ式の動力源は、一般的に前者が“ゼンマイが解ける力”で、後者が“電池”だ。
 これに対して“オートクォーツ”は、自動巻きムーヴメントと同様にローターが回転し、その回転運動によって生まれる運動エネルギーを利用してコイル発電させる。その動力の電気変換によってモーターを駆動させ、針を運針させている。しかも時間の制御はクォーツ時計と同じく水晶振動子(クォーツユニット)で行うため、自動巻きムーヴメントよりも高精度となる。
 いわば機械式とクォーツのいいとこ取りをした、駆動方法と言えるだろう。

写真はセイコーミュージアム銀座公式サイトより引用

 なおオートクォーツは、1988年に世界で初めてセイコーが開発。当時はA.G.S.(=Automatic Generat-ing Systemの略)でリリースされ、のちに“キネティック”に名称を変更している。

 

ほかにもトゥルームが採用している“スイングジェネレータ”なるものがあるが、キネティックとほぼ同様の駆動機構である。写真はトゥルームとスイングジェネレータのメカニズム

 

<参考文献>
・セイコーミュージアム銀座公式サイト> 展示品・収蔵品>セイコーウオッチ 後期>オートクオーツ(現キネティック) - https://museum.seiko.co.jp/collections/watch_latestage/collect025/
・トゥルーム公式サイト>Technology & Function>スイングジェネレータ - https://www.epson.jp/products/trume/world/technology.htm

 

文◎松本由紀(編集部)

 

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