イタリア・中北部にあるフィレンツェに拠点を置く、HTD(エイチティーディー)はイタリア人デザイナーのフェデリコ・デル・ゲーラとフェデリコ・ズリアンが2018年に設立した日本未上陸の独立系ウォッチメーカーだ。社名のHDTは、“Horological Tools Department(ホロロジカル・ツールズ・デパートメント)”の頭文字を組み合わせたもので、 創業者の2人は学生時代に出会い、時計作りへの共通の情熱が2人を結びつけ、HTDを誕生させることになる。
創業者のフェデリコ・デル・ゲーラはブランド立ち上げの理由を“イタリアで時計製造の新時代を築き、イタリア国内で設計・製造することが夢”と語っている。
最高品質を保証するために、時計専門家や地元の職人などの専門知識を得ながらフィレンツェでデザイン、製造と組み立て、販売、アフター・サービスを行っており、1970年代、80年代のヴィンテージウオッチからデザインのインスピレーションを得ているそうだ。そのデザイン・ディテールは人を興奮させ、背筋をゾクゾクさせるものだ。
2020年、大手クラウドファウンディングのキックスターターで、開発に2年間を費やして生まれたクロノグラフをファーストコレクションとして発表。その製作で得た時計製造の経験とデザインを生かし、22年にセカンドコレクションであるスキンダイバーのアクアティックを発表している。
今回は22年に登場したダイバーズウオッチコレクション、アクアティックに焦点を当てて、ラインナップされている二つのモデルを紹介していく。
【HTDの最新モデル、アクアティックの特徴とは】
アクアティック・シリーズにはSpaceBoy(スペース・ボーイ)とPallettoni(パレントーニ)という2種類のモデルがラインナップされている。
サメのボディーを彷彿とさせる滑らかなボディラインと、サメの歯を連想させるグリップ力を高めた時計ベゼルを備えているのが共通の特徴。耐傷性と美観に優れたサファイアクリスタル風防を備え、プロ仕様の200m防水を備えている。
【編集部の注目モデル】
HTD(エイチティーディー)
スペース・ボーイ
スペース・ボーイは、海にも深く潜れることができるプロ仕様のダイバーズウオッチ であり、さらに宇宙空間での漆黒の闇で活動できることもコンセプトに作られたモデル。
文字盤の12時、3時、6時、9時位置に台形、3時、6時、9時に近未来的フォントのアラビア数字を配置した混合インデックスがデザインの独自性と視認性を高めている。
316Lサージカルステンレス製ケースは、直径が39mmで厚さが10mm。二重の内面反射防止コーティングが施されているドーム形のサファイアクリスタル風防、ねじ込み式テーパーリューズを備え、プロダイバー仕様の200m 防水を確保。操作感に優れる120クリックの逆回転防止ベゼルを装備しているのもこだわりのポイントだ。ムーヴメントはMiyotaの自動巻き、Cal. 9039を搭載。販売価格は750ユーロ(約11万円)となっている。