洗う際はネジ込みリューズがしっかり閉まっていることを確認。デイトナの場合はプッシュボタンも忘れずに。なおロレックスのオイスター系のように100m防水以上の場合は問題ないが、それ以下の場合は勢いよく出る水道水で直接洗うのは避けたほうがいい
先日、サブマリーナー16613のオーバーホールをしてもらった。そのときに修理技術者のクロノドクター・久保氏と雑談をしていたときのこと。いつも数多くのロレックスをメンテナンスしている同氏は、こんなことをぼやいていた。それは定期的に自分で「たまには洗ってほしいなあ」と。
メンテナンスで依頼される個体のなかには、とにかく使いっぱなしで、ものすごく汚れている個体も少なくないらしい。なかには10年、20年と未整備という個体も。そして、そういう個体でいちばん困るのが裏ブタのネジ部分が錆びてパッキンも固着してしまうこと。裏ブタを開けるのにかなり苦労することがあると。
いくら頑丈なロレックスでもホコリや皮脂が溜まってこびり付いたまま長年放置していると、ステンレススチールとはいえサビの原因になりかねない。特に使用頻度がかなり高い人こそ注意が必要で、そのような場合は自分で洗うなどセルフメンテナンスを、せめてしてほしいとのことだ。
みなさんのなかには「え、水洗い!」と思われる方もいるかもしれないが。。。
なかには毎日着けるという人もいるため、そういった方は注意したほうがいいかもしれない。
もちろん洗う際は、定期的にオーバーホールを行なっているなどメンテナンス歴がちゃんとあって防水能力がしっかりと効いている個体が前提。10年も未整備のまま使い続けているものや、古いものでプラスチック風防の個体については避けたほうがいい。そして洗う際はネジ込みリューズをしっかり締めたことを確認。デイトナの場合は上下二つのプッシュボタンも忘れずに確認すること。
そして特にブレスレットは要注意だそうだ。頻繁にロレックスを着ける人はなおさらで、夏が終わったころには衛生面からしても一度は洗ったほうがいいかもしれない。表面はそれほど感じなくても、裏側はコマとコマのつなぎ目部分に皮脂などかなりの汚れがたまっていることがほとんど。楊枝や歯ブラシなどを使って除去したいところだ。
ちなみに筆者は、ロレックス自体、使う頻度がそれほど多くないうえに、定期的にメンテナンスに出しているため、洗うということはないが、いつも必ずやることがある。それはロレックス問わず、家に帰って腕時計を外したときに、ブレスはもちろん革ベルトの場合も必ずクロスで全体を拭いてから収納ケースに入れること。これだけでも随分と違うそうだ!
なおロレックスのオイスター系のように100m防水以上の場合は問題ないが、それ以下の場合は勢いよく出る水道水で直接洗うのは避けたほうがいいだろう。
「ゼロからわかるロレックス」の改訂版4ができました!
お知らせをひとつ。筆者が刊行している「ゼロからわかるロレックス」の最新版が完成した。そして全国の書店では9月26日(月)から発売される。2年ごとに情報をアップデートしてその年の8月末に刊行しているもので、今回は改訂版として4回目にあたる。つまり刊行してから8年目と結構長い。手前味噌だがそれだけ読まれている本なのである。
実のところ本来であれば今回も8月31日に発売をする予定だったのだが、印刷の締め切り間際になって、9月1日からロレックスが定価改定をすることが判明。急遽発売を延期、1カ月近くも遅れての発売となったというわけである。
さて、ここ2年で多くの人気モデルがモデルチェンジを果たした。そのため本誌もだいぶ情報を更新した。加えてこれまでよりも16ページを増やして、オイスターパーペチュアルとエアキングのページを新たに追加するなど、充実した内容となっている。
歴史から機構、そして資産価値まで、初心者向けにわかりやすく解説している。ぜひ読んでいただけたらうれしい。もちろん価格は据え置きで定価1650円