1950年に設立されたオリエント。“オリエントスター”は51年に“輝ける星”をイメージして誕生した同社を象徴するブランドであり、独自の世界観をもつ本格機械式時計ブランドとして70年以上の歴史を刻んできた。
2021年に創業70周年を迎えたことをきっかけにして、以降、様々なアニバーサリーモデルの発表が続いているが、なかでも時計好きの間で注目を集めたのが、1964年に発表された同社初のダイバーズウオッチ、オリンビアカレンダーダイバーを再現した復刻系モデル“ダイバー1964”である。
今回取り上げたのは、その“ダイバー1964”の第2弾に当たる新作モデル。前作では同社初のダイバーズウオッチである“オリンビアカレンダーダイバー”をモチーフとしていたが、このモデルではオリエントのダイバーズウオッチ2号機として1964年に誕生したカレンダーオートオリエントをベースに採用。特徴的なディテールを継承しつつ、意匠と機能の両面で現代的なブラッシュアップが施されている。さっそく、実機レビューをお届けしよう。
【今回の実機レビューモデル】
オリエントスター(ORIENTSTAR)
ダイバー1964 2nd エディション
品番:RK-AU0601B
素材:ステンレススチールケース(サファイアクリスタル風防)
サイズ:41mm(回転ベゼル含む)、ラグトゥーラグ:49.6mm、厚さ14.5mm、重さ175g
機械:自動巻き(Cal. F6N47)
防水:200m空気潜水用防水(ISO 6425規格準拠)
価格:15万4000円
【デザインのコンセプト】
オリエントの潜水時計第2号機として1964年に誕生したカレンダーオートオリエントをベースにした復刻モデル。当時はまだ防水時計の性能を示す明確な規格はなかったため、現在のISOダイバーズウオッチの規格に準拠した厳格な意味でのダイバーズウオッチではなかったが、コンプレッサーダイバーが人気を集めた60年代前半にあって、まだ珍しかった回転ベゼルを装備。40m防水性能を備えていたのが特徴とされている。
【文字盤のデザインについて】
光沢のあるブラックラッカーダイアル、枠のないロリポップ針(タコ針)、メタルフレームのない夜光インデックス(配置のバランスがオリジナルに忠実なのが好印象)など、当時のモデルの雰囲気を見事に再現。
アンティークウオッチを思わせる意匠に仕上げつつ、オリエントスターのアイコンであるパワーリザーブ表示を11時〜1時に配置するなど、絶妙なバランスでアレンジが加えられている。パワーリザーブの針は夜光無しだが中央に稜線を設けて光を反射しやすい形状に仕上げた。また、インデックスと時分秒針に夜光を塗布しているので視認性も良好だ。