国産時計

【スイスと日本の時計づくりの美学が融合】シチズン・カンパノラ初のとなるフライングトゥールビヨン搭載モデル

 “宙空の美”をデザインコンセプトに掲げるシチズンのカンパノラから初となるフライングトゥールビヨンモデルが発表された。
 “天”と“地”と名付けられたファーストコレクションは、18金ホワイトゴールドケースに、ラ・ジュー・ペレ社の⾼度な設計製造技術により美しく丁寧に作られた薄型トゥールビヨンムーヴメントCal.Y392と、会津漆の伝統⼯芸⼠である儀同哲夫(ぎどうてつお)⽒の⼿による漆塗り文字盤を合わせている。“天”は螺鈿(らでん)とプラチナ粉の研ぎ出しで星雲が炎のように舞う様を、“地”は乾漆粉(かんしつふん)で荒らした⿊⽣地に⾦を蒔いて⼤地のような荒々しい肌感を⾒せている。
 
■(左)天。Ref.NZ3000-01L (右)地。Ref.NZ3000-19P。ともにK18WG(42mm径/10mm厚)。日常生活防水。手巻き(Cal.Y392)。シチズン フラッグシップストア(東京、⼤阪)限定。各5本。各935万円

 時計技術の最⾼峰のひとつとして今⽇まで受け継がれているトゥールビヨンは、姿勢による時間精度の誤差を補正するため、18世紀末から19世紀初頭に考案された、調速脱進機構をキャリッジとよばれる⽀持台に配置し、⼀定の速度で回転させる機構である。本作では、その派生として後年発明された、まるでキャリッジが宙に浮いているように⾒えるフライングトゥールビヨンを搭載している。その技術を継承するメーカーのひとつが、2012年に機械式時計開発⼒のさらなる向上を⽬指してシチズングループに迎えられたスイスのラ・ジュー・ペレ社である。同社では、この複雑機構を与えながら、3.07mm(キャリッジを除く)という極薄のムーヴメントに留め、ケース厚10mmの薄型設計を実現。さらにダイヤカットと⼿作業による⾯取りを使い分けるなど、繊細な仕上げを随所に施し、精緻なメカニズムを美しく引き⽴てている。


 ⼀から設計されたキャリッジは、丁寧に磨かれたカンパノラのシンボルであるベルを抱き、ホワイトゴールドケースの裏ブタからは、一つひとつ磨き込まれたネジや、⼿作業によるサティナージュ(ヘアライン)が施されたブラックカラーのムーヴメントが堪能できる。

 ⽇本とスイスの時計づくりの美学が融合したシチズン渾身となるトゥールビヨンモデルは、それぞれ5本の限定製作となり、シチズン フラッグシップストア(東京と大阪)でのみ販売される。

 

【問い合わせ先】シチズンお客様時計相談室 TEL.0120-78-4807
https://campanola.jp

 

文◎堀内大輔(編集部)

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