パワーウオッチやロービートといった腕時計専門誌の総編集長がプロデュースする時計ブランド、アウトライン。その最新作“パイロットクロノ20thリミテッド”が去る4月27日に一般販売を開始した。
これは時計専門誌パワーウオッチの創刊20周年を記念して特別に製作された限定モデル。それを記念して実施されたクラウドファンディングでの先行予約では何と900万円以上の申し込みが集まるなど高い評価を得た。
写真はスネイルタキメーターに通称逆パンダタイプのRef.YK20221-3IV。これを含めて全部で3種類のデザインが用意されている
1940年代に空軍士官向けに作られたことから“フライングオフィサー”の名前で知られる傑作クロノグラフから着想を得て再現されたというこのパイロットクロノ20thリミテッドは、古典的な雰囲気にこだわった作りもさることながら、さらに実用性を高めている点も大きな魅力といえる。
当時のフライングオフィサーは、1から12までの数字が刻まれた回転ベゼルと世界23の主要都市を示すダイアルインジケーターを備えていた。これはパイロットが飛行中に時差を確認するための機能として設けられたもので、アメリカ陸軍のパイロットからの要望で開発されたといわれている。
デザインのモチーフとなった1940年代のフライングオフィサー
それに対してパイロットクロノ20thリミテッドは、フライングオフィサー同様に世界23の主要な都市名を配しながらも、すべて日本との時差を基準にしているため、回転ベゼルを操作するだけで、東京を起点にしたそれらの都市の現在時刻も確認できるようになっているのだ。
操作方法は、時刻が知りたい都市名に回転ベゼル上の“赤い12”の位置を合わせるだけ。つまり、時針が指し示す回転ベゼル上の数字が、選択した都市の時刻というわけである。
回転ベゼルを使って世界23都市の中から指定した都市の時刻も同時に確認できるデュアルタイムウオッチ
搭載するムーヴメントはメカクォーツクロノグラフと呼ばれる、セイコー製のVK64。通常のクォーツクロノグラフとの違いは、時分針と同軸にある計測用の赤いクロノグラフ秒針が、1秒ごとに動くステップ運針ではなく機械式ムーヴメントのような断続的な動きのスイープ運針となる。加えてクロノグラフ秒針をリセットして12時位置に帰針させる場合も、機械式同様に瞬時に戻る点もこのVK64ならではだ。
なお、販売は当ウオッチライフニュース・オンラインショップのみの限定販売。しかもパワーウオッチ創刊20周年を記念してオリジナル製作した時計スタンド(Cリング)が付く特別セットも先着35名限定で用意されている。無くなり次第終了となるため気になる人は早めにチェックを!
『アウトライン・パイロットクロノ20thリミテッド』
316Lステンレススチール。ケース径42 mm。日常生活防水(3気圧)。メカクォーツ(セイコーVK64)。限定200本。3万7400円
文◎堀内大輔(編集部)