1830年の創業から192年の長い歴史を誇るウオッチメゾン“ボーム&メルシエ”。 2021年は1973年に発売された同ブランドのアイコン的ウオッチである“リビエラ”を現代的にリブートした新コレクションを発表して話題をさらったが、今年は“リビエラ”を含む現行の主要3コレクションから新作を発表。
グレーをキーカラーに洗練されたモデルをラインナップした“リビエラ”、アールデコの幾何学的デザインを現代のニュアンスでアップデートした“ハンプトン”、カジュアルでありながら洗練されたスタイルが目を引く“クラシマ”、いずれもデザインへの愛、フォルムへの情熱、既成概念に捉われないクリエイティビティが刻み込まれ、魅力的なコレクションに仕上げられている。
多彩なモデルが発表された2022年の新作のなかでもハイライトと言えるのが、スチール製で汎用性の高い42mmケースに先進のボーマティックムーヴメントを搭載した“リビエラ ボーマティック”の新作だろう。
リビエラ ボーマティック - M0A10702
4本のビスが付いた12角形のベゼルなど、1973年のオリジナルモデルのフォルムと力強さを受け継ぎながらも、スモークサファイアダイヤルと一体型スティール製ブレスレットを備えることで時代のトレンドにフィットしたデザインを獲得。
5日間のパワーリザーブ、日差-4~+6秒の高精度、日常の磁場にしっかりと耐えうる1500ガウスの耐磁性という、確かなパフォーマンスを備えるボーマティックムーヴメントを搭載したことで先進の機能も確保している。シースルーバックからメカニカルなムーヴメントの造形を鑑賞することができるのも魅力だ。
もちろん、耐傷性の高いサファイアクリスタル風防には両面に無反射加工が施され、8角形のリュウズには立体的なΦファイマークのロゴを刻印。技術面だけではなく、卓越性、スタイル、快適さ、全体的な一貫性を備えたこのタイムピースは、メンズウォッチにおけるメゾンのヴィジョンを体現している。
■Ref.M0A10702。SS(42mm径/10.7mm厚)。10気圧防水。自動巻き(自社製Cal.Baumatic BM13 1975A)。予価41万8000円(2022年9月下旬発売予定)
リビエラ オートマティック - M0A10660
アイコンである12角ベゼルを備えた42mmのステンレススチールケースとスレートグレーダイヤルを組み合わせ、繊細なグレーの色合いが目を引きつける“リビエラ オートマティックの新作。
サンドブラスト仕上げのチタン製ベゼルは、4本のビスでケースに固定され、このタイムピースにコンテンポラリーな要素をプラス。マットな色合いのベゼルとブレスレットに完璧にマッチする明るいゴールドPVD加工のリングにより、独特のスタイルが際立つ生粋のスポーティさを表現している。ラッカー仕上げの美しいスレートグレー文字盤が繊細でソフトなタッチを加え、同系色のウェーブ装飾、ローマ数字とゴールドPVD加工のスチール製インデックスが文字盤に立体的な造形とアクセントを加えている。
特別なツールを使わず数秒でスタイルを変えることのできるインターチェンジャブルシステムを備えたグレーのラバーベルトを装備。スポーティであると同時にシックな雰囲気を兼ね備えたデザインが魅力的だ。
■Ref.M0A10660。TI×SS(42mm径/10.7mm厚)。10気圧防水。手巻き(Cal.SW200)。予価35万2000円(2022年4月下旬発売予定)
ハンプトン ミディアム– M0A10672
ハンプトンコレクションは、アールデコのデザインが流行した時代へのオマージュとして、再生と希望が表現された他とは異なったレクタンギュラーフォルムのタイムピース。今年は大胆なフォルムと素材を用いて、斬新な組み合わせを創り出し、さらなるエモーションをかき立てる新作を発表している。
ハンプトン ミディアムの新作でポイントとなっているのは、1950年代から時計に採用されるようになったミラネーゼブレスレットだ。ハンプトンは、ミラネーゼブレスレットに新たな解釈を加え、ポリッシュ・サテン仕上げのスチール製の大変細かい編みを採用することで素晴らしい程にフィットを実現。金銀細工師による、忍耐を必要とする細いワイヤーの編み込み作業からその溶接と組み立てまで、時間をかけた丹念に作業が、柔軟性と快適な装着性をもたらしている。アールデコとイタリアのクラフツマンシップが融合するレトロなスタイルは、多くの時計好きを魅了することだろう。
自動巻きムーヴメント搭載モデルには、グレイン仕上げのシルバーオパーリンダイヤルを採用。ブラックルテニウムの短剣型針がブラックとグレーの繊細なミニッツレイルの上で優雅に時を刻み、レクタンギュラーケースに加え、文字盤でも幾何学的なアールデコのスタイルが際立っている。ブラックルテニウム加工のアラビア数字とバーの混合インデックスは、リベット止めされ、ヴィンテージ感をさらに高めている。
ムーヴメントは38時間のパワーリザーブを備えたETA 2671を搭載。サファイアクリスタルのケースバックを通して、サンド・スネイル仕上げのメインプレート、そしてコート・ド・ジュネーブとスネイル仕上げが施されたローターなど、時計製造の伝統に忠実な繊細な装飾を施したムーヴメントを鑑賞できる。
■Ref.M0A10672。SS(43 x 27.5mmサイズ/10mm厚)。5気圧防水。自動巻き(ETA 2671)。予価31万3500円(2022年6月下旬発売予定)
ハンプトン ラージ– M0A10666
ハンプトンに加わった二つ目の新作は、自動巻きムーヴメントを採用し、時計愛好家を喜ばせる機能を搭載した少し大きめのサイズなのが特徴。ポリッシュ仕上げのステンレススチール製のケースは、グレイン仕上げのスレートオパーリンダイヤルを持ち、この素材によって伝統的な時計の顔にモダンなタッチを加えている。
文字盤の外周にレイアウトされたホワイトのミニッツレイルはアイコニックな長方形のフォルムを際立て、周りにはこのコレクションの特徴である、ロジウム加工とリベット止めされたアラビア数字とインデックス、そして短剣型針を備える。12時位置には大きなビッグデイト表示が配置され、6時位置にセカンドタイムゾーンの12時間表示デイナイト表示を備える。
サファイアクリスタルのケースバックを通して、ペルラージュ仕上げのブリッジと受け、サンドブラストとスネイル仕上げのメインプレート、そしてコート・ド・ジュネーブが施されたローターを備えた自動巻きムーヴメントを鑑賞できる。エレガントなの時計本体のデザインに合わせて、同系色のステッチを施したスクエア竹斑、ラージスクエアのブラックアリゲーターベルトが装備されている。
■Ref.M0A10666。SS(48 x 31mmサイズ/10.8mm厚)。5気圧防水。自動巻き(Soprod TT651)。予価49万5000円(2022年4月下旬発売予定)
クラシマ- M0A10695
色褪せることのないそのクラシックなデザインと完璧なプロポーションを備えたラウンドウォッチ、クラシマ。2022年は、冒険と自然を連想させ夏のシーズンに必須のアイテムとなる2つのスタイルが発表された。
ひとつ目のモデルは、砂漠を連想させるサンドカラーのインベゼル付きのソレイユサテン仕上げ文字盤に、同色の無地のファブリックベルトをシンクロさせたデザインが特徴。3時位置にはデイト表示を設けた円形の文字盤を飾るのが、ロジウム加工された立体的な造形のリーフ型針とホワイトのローマ数字とインデックスだ。秒針はこのモデルで多く取り入れられたベージュに仕上げられ、デリケートに時を刻みながら美しいタッチを加えている。
■Ref.M0A10695。SS(42mm径/8.93mm厚)。5気圧防水。自動巻き(SW200)。予価21万4500円(2022年5月下旬発売予定)
クラシマ- M0A10696
砂漠を想起させるひとつ目のモデルに対して、二つ目のモデルは緑が茂るエリアへの旅を思わせるカラーが特徴。外周にグリーンのインナーリングを備えたソレイユ・サテン仕上げの温かみのあるシルバー文字盤が上品な存在感を主張し、クラシマの完璧なラウンドデザインを際立てている。ブラックのローマ数字とインデックスとともに、同様に黒のリーフ型針により、時間と分を表示。秒針はグリーンで、全体の装飾と同様にカモフラージュしているかのような印象を感じさせている。
■Ref.M0A10696。SS(42mm径/8.93mm厚)。5気圧防水。自動巻き(SW200)。予価21万4500円(2022年5月下旬発売予定)
クラシマ- M0A10694
シックでクラシックな服装の中で最上の地位を占める“ボルドー”と“ブルー”を採用したクラシマの新作。メンズモデルは42mmのステンレススチールケースを採用したアーバンなスタイルが特徴となっている。ソレイユ・サテン仕上げのボルドーダイヤルは、外周にブルーのミニッツレイルを備えることで調和のとれた円形のデザインを立体的に強調。ロジウム加工された3本のリーフ型針が、デリケートにホワイトのローマ数字とインデックスで時を刻んでいる。
裏ブタは好みに応じてパーソナルなエングレービングを施すことも可能。ベルトはインターチェンジャブル機能を備えており、特別なツールを必要とせずに、その日のコーディネートに合わせてベルトを替えて楽しむことができる。38時間のパワーリザーブを備える自動巻きムーヴメントを搭載。
■Ref.M0A10694。SS(42mm径/8.93mm厚)。5気圧防水。自動巻き(SW200)。予価21万4500円(2022年5月下旬発売予定)
【問い合わせ先】
ボーム&メルシエ
TEL.0120-98-8000
www.baume-et-mercier.com
文◎船平卓馬(編集部)