近年、カジュアルから高級時計まで、価格帯を問わずにラインナップを増やしている“リバイバルモデル”。過去に製造されていたヘリテージモデルをベースに、当時のモデルを忠実に再現したモデルから、テイストを受け継ぐインスパイア系のモデルまで、各社から多彩なモデルがリリースされている。今回は、そんなリバリバルモデルのなかから、フランスの“YEMA(イエマ)”が手がけたモデルに注目。実機レビューでその特徴を紹介していく。
》実機レビューするモデルはコチラ
YEMA(イエマ)
パールダイバー
■品番:Ref.YCL1-MRM
■素材:ステンレススチールケース&ブレス
■サイズ:ケース径38mm×T14mm(ラグ幅20mm)
■防水性:20気圧防水(200m相当)
■ムーヴメント:自動巻き(Cal. YEMA2000)
■搭載機能:時刻表示/逆回転防止ベゼル
■価格:9万3500円
※フランスより取り寄せ商品のため納品まで約3週間ほど
》1970年代の個性派ダイバーズウオッチを再現
スイス国境に近いブザンソンで1948年に創設されたフランスの時計ブランド、イエマ。日本では知る人ぞ知るマニアックなブランドという位置付けだが、60年代に300m防水のダイバーズウオッチ“スーパーマン”などアイコンとなるモデルを次々とリリースし、スポーツウオッチの分野でフランスを代表するブランドとなった実力派ブランドだ。
この“パールダイバー”は、コラボレーションプラットフォーム YEMACoLabs を介してファンの1人が設計した最初のモデル。70年代のヘリテージモデルにオマージュを捧げたデザインを採用しており、プロジェクト・クリエーターのマリン・ラヴェネルは、アンティークダイバーズウォッチをこよなく愛する時計コレクターであり、その知識を活かして細部までこだわりの作り込みを実現している。
ベースとなったのは、70年代にイエマが発売したダイバーズウオッチ“ネイヴィグラフⅡ”。12時、3時、6時、9時に三角マーカーを備えた文字盤、先端に大きめの三角マーカーをセットした分針、ビッグサイズのネジ込み式リューズなど、当時のモデルで採用されていたアイコニックな意匠が継承されており、ほかにはないレトロな雰囲気を醸し出す。
ちなみに、デザインモチーフとなったオリジナルのネイヴィグラフⅡは、無骨な六角ネジが目を引くストラップ一体型ケースを採用したかなり個性的モデルであったが、復刻モデルではあえてオーソドックスなラウンドケースを採用。
個性を備えつつ、日常使いしやすいモデルに仕上げられているのも、こだわりのポイントだ。ここ数年、時計界では復刻モデルが各社からリリースされているが、70年代スタイルのレトロなデザインが、ほかとひと味違うオリジナリティーを主張している。
》本格ダイバーズウオッチとしては小振りなサイズで装着感良好
20気圧防水(200m防水相当)のスペックを備えた本格ダイバーズウオッチながら、ケースサイズが38mmと小振りであることも特徴のひとつ。手首の内側に納まる程よいサイズ感ですが、文字盤、逆回転防止ベゼルに配置された三角形の夜光マーカーがヴィンテージ感と個性を感じさせる。
》1970年代のモデルを再現したディテールをさらにチェック
三角形の夜光インデックスとドットを組み合わせた文字盤、先端に三角形のマーカーを備えた分針など、モチーフとなった1970年代のネイヴィグラフⅡで採用されていた意匠を再現。日に焼けて変色した夜光塗料を表現したベージュの色合いも、アンティークテイストを高めている
厚さ3.5mmのヘサライトクリスタルを採用したドーム形風防がヴィンテージ感を醸し出す。ケースの直径は38mmで厚さは14mm。イエマの自社開発ムーヴメントの第2世代にあたる、日差+/- 10秒、42時間パワーリザーブを備えた自社開発の自動巻きムーヴメント、YEMA2000を搭載。
イエマといえば、1960年代から現在まで継承されている独自のベゼルロック機構が有名だが、このモデルはロック機構だけでなく、リューズガードも無くした、ダイバーズウオッチ黎明期のモデルを思わせるデザインを採用。大振りなネジ込み式リューズが存在感を主張する。
【問い合わせ先】
シーズ・ファクトリー
TEL:03-5562-0841
【パールダイバー販売サイト:タイムギアオンラインショップ】
文◎堀内大輔(編集部)