A.実際にスクーバダイビングに使える防水性能かどうかがわかる
今回から“意外と知らない時計知識”と題して、知っているようで案外あやふやだったりする時計の基礎的な事柄をシリーズでお届けしたいと思う。第1回目は夏真っ盛りということでダイバーズウオッチのことについて取り上げる。
まず、ダイバーズウオッチといえば一番重要なことは防水能力がどれだけあるかだ。それは主に文字盤の6時位置に表示されているのだが、よく見ると“10BAR”や“100m”のように、バールとメートルの2種類の表示があって、どちらか一方が必ず使われる。では具体的に何が違うのか。
国際規格であるISOと日本工業規格のJISとでも微妙に違うが、より厳密なJIS規格に従えば、日常生活で使用するうえでの防水性能がバール表示で、本格的な潜水用がメートル表示としている。例えば、10BAR(=10気圧)表示の場合は、時計が静止状態で水深100メートルまでの水圧に耐える防水機能を有した日常生活用強化防水時計に分類される。
一方の100m表示の場合は、水深100メートルまでの水圧に耐える性能と、長時間の水中使用に耐えうる防水性能を有した、空気潜水時計に分類されるのである。
写真左が300m防水、右が5気圧防水を備えている。左がダイバーズウオッチであるとひと目で確認ができる
つまり、購入しようとしているダイバーズウオッチが、酸素ボンベを使うスクーバダイビングに使用できる本格的なものであるかは、この防水表示がメートル表示かどうかで確認できるというわけだ。
ちなみにバール表示であっても10BAR(10気圧)以上であれば、ヨットや水泳などの水上スポーツや素潜り(スキンダイビング)には使えるとしている。
文◎松本由紀(編集部)