日本未上陸ブランド 話題のトピックス

【時計界のダークホース、東欧ウオッチが熱い!?】陸海空を網羅するスロバキア発の実力派ブランド、“ビアテック・ウォッチ”に注目

》陸海空のカテゴリーで機能と美観を両立した良作をラインナップ

 ビアテック・ウォッチ(以下、ビアテック)は、スロバキア共和国で2016年に創設された日本未上陸の新興ウオッチブランド。スロバキアは中央ヨーロッパに位置し、面積は日本の約7分の1。北西にチェコ、北にポーランド、東にウクライナ、南にハンガリー、南西にオーストリアと、5つの国との国境と接するが、時計製造という点に関しては印象が薄い人が多いことだろう。

 ビアテックを創設したのは、時計販売の経験があるピーター・コーザーだ。 コーザーは共同設立者でデザイナーのミロス・ジャクベックとタッグを組み、高品質でありながらも手頃な価格の機械式時計を少量生産することを目的にブランドをスタートし、スロバキアの首都、ブラチスラバから北東へ約2時間のところにあるズボレンを拠点として、独自のコレクションを展開している。

 ビアテックというブランド名の語源は、紀元前1世紀にコイン鋳造されたケルト系の王ビアテックに由来しており、この古代の王ビアテックの肖像は、現在も5コルナ硬貨として使用されている。

 すべてのビアテックのコレクションはスロバキアで製造されており、文字盤とリューズにあるロゴは、スロバキアの国章に由来し、国、文化、伝統の象徴となっている。

 また、ビアテックはEarth、Air、Water と、カテゴリーごとに3つのコレクション展開をしているのだが、興味深いことにその全3コレクションのうち、2つのコレクションにエテルナのムーヴメントを搭載(EarthにはエテルナのCal.3910A、AirにはCal.3902Aを採用)しているのも特徴のひとつ。中価格帯の時計ブランドは数多いが、エテルナからムーヴメントの供給を受けているブランドは少ない。ましてや時計産業のイメージが薄いスロバキアの新興ブランドというのは、かなり珍しい例といえるだろう。

 日本未上陸のブランドなので気軽に手に入れることは難しいが、時計好きの友人など、周りとかぶらない時計をお探しであれば、デザイン性に優れ、高品質でありながらも手の届く価格で提供する、ビアテックも選択肢のひとつにお勧めしたい。


BIATEC WATCHES(ビアテック・ウォッチ)
マジェスティックコレクション
Majestic 04

 マジェスティックコレクションは、三つのカテゴリーの中でアースに位置付けられているシリーズ。このMajestic 04ではグレーのサンレイ文字盤にスモールセコンドとポリッシュ仕上げのシルバーインデックスを配置したクラシックさとモダンさを兼ねね備えたデザインが魅力的だ。サイズは40mmで、スイス製のEterna3901Aムーヴメントを搭載。

 ケースバックには、金メッキされた銀製のコインが、時計の裏蓋のサファイアクリスタルの下に配置されている。このコイン1328年に設立され、ヨーロッパでも歴史あるクレムニカ造幣局から供給されている。

◾️SS(40mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.Eterna 3901A)。1470ユーロ(約19万6000円)


BIATEC WATCHES(ビアテック・ウォッチ)
エアコレクション
Corsair CS 02
 三つのコレクションのなかで“Air”に位置付けられているCorsair Collection はアメリカの戦闘機F4U コルセアからインスパイアされたヴィンテージスタイルのパイロットウオッチである。F4U コルセアは第二次世界大戦や朝鮮戦争で活躍した歴史的な戦闘機で、米国史上最長のピストンエンジン戦闘機として、1942年から53年までに16モデルが製造された。

 Corsair CS 02 は、ブラックCLDコーティング加工を施した40mmのステンレススチールケースを採用。 スイス製のエテルナ 3902A ムーヴメントには、F4Uコルセア機にインスピレーションを得た、特別カスタマイズのビアテック特製プロペラローターが搭載されている。

◾️SS(ブラックDLC加工/40mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.Eterna 3902A)。1480ユーロ(約19万7000円)


BIATEC WATCHES(ビアテック・ウォッチ)
リヴァイアサンコレクション
Leviathan 03
 最後に“Water”に位置付けられるLeviathan 03をご紹介する。コレクション名の “Leviathan(リヴァイアサン)”は、“捻れる”や“渦を巻く”というヘブライ語が語源で、ユダヤ教、キリスト教、そして地域によって異なる名前で出てくる、海の怪獣からインスパイアされたダイバーズウオッチだ。海の怪物との戦いを想定した訳ではないが、困難な水中での使用にも対応できるよう製造されている。

 NanTecコーティング(ビッカース硬度600)を施したステンレススチールケースにはセリタ社のCal.SW200を搭載。サファイアガラスをはめ込んだ逆回転防止ベゼル、オールドラジウムカラーのスーパールミノバGLライトをインデックスと針に塗布し、300m防水の防水性能を備える。

◾️SS(40mm径)。300m防水。自動巻き(Cal.Sellita SW200-1)。販売価格1075ユーロ(約14万3000円)

》BIATEC WATCHES(ビアテック・ウォッチ)公式サイト
www.biatecwatches.com


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

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