時計好きにとっては周知の事実であるが、レザーベルトは汗や湿気の影響を受けやすく、傷んでしまったら交換するという“消耗品”と考えるのが基本である。
レザーベルトが劣化する最も大きな要因のひとつとなっているのが“汗”。厳密に言えば、汗に含まれている塩分が水分とともに革に染み込んでダメージを与えている。
こうした劣化を遅らせるため、着用後は乾拭きするなどのセルフケアを行うことが大切となる。ただ毎日となるとそれも多少面倒だ。
また春になりこれから気温が暖かくなってきて、汗もかきやすくなってくるため、“レザーベルトを丸洗いできたら嬉しい”と思っている人も少なくないのではないか。そこでおすすめしたいのが、国内最大手の時計ベルトメーカー、バンビが手がける、水洗いができるレザーベルト、“ウォッシャブルベルト”だ。
レザーベルトの困りごとを根本から解決できる同ベルトに今回は注目し、使用方法から、実際に使ってみた感想までお届けしていこう。
》表面、裏面とも特殊な加工を施した革を採用
水洗いできる牛革(表面)と合成皮革(裏面)
ウォッシャブルベルトの最大の特長は、優れた耐水性を実現している点である。製造方法に秘密があり、なめしの段階で専用の溶剤を加えることで、水による色落ち(完全に色落ちしないわけではない)や型崩れをしにくく仕上げている。
そのためレザーベルトでありながら水を使用した洗浄ができるのだ。また水洗いだけではなく、中性洗剤を使用した洗浄も可能である。なお中性洗剤以外のアルカリ性・酸性の洗剤、漂白剤、アルコール消毒液などは使用不可。正しく洗浄すれば、レザーベルトでありながら長く使用ができるというのが注目のポイントだ。
》ウォッシャブルベルトの洗い方
まず洗面器に水(30℃以下、お湯はNG)を張り、必要に応じて中性洗剤を適量溶かす。その後時計から外した状態でベルトを水に浸し、優しく押し洗う。そして水を変え、泡が立たなくなるまで水ですすぐ。
洗浄後は形を整えながら水を切り、清潔なタオルでハンドプレスして、水分を十分に拭き取る。最後は風通しの良い日陰で自然乾燥をすれば、またキレイな状態でベルトを使用することができる。なお革の破損や縮み、硬化の原因になるためドライヤーを使用した乾燥は控えてほしい。
実際に洗浄、着用をしてみて、レザーベルトを清潔に爽快に保つことができるというのは、やはり魅力的であった。洗浄前と洗浄後では質感が異なるのかと思ったが、裏面の合成皮革は吸放湿性に優れているため乾きやすく、また質感を損なうこともなく着用したときのムレなど、一切なかった。
加えて、ベルトと一緒にバネ棒と工具が付属しているため、洗浄の際のベルトの付け外しができ、手持ちの時計のベルトと簡単に交換できるという配慮がされていたのも嬉しいポイントであった。
レザーベルトは水に濡れてしまうとヨレてしまうだけでなく、色落ちもしてしまう。ウォッシャブルベルトは色落ちを防ぎながら水洗いできるという、相反する条件を満たすことに成功した画期的なアイテムのため、これからの季節に備えて1本は所持しておきたいところだ。
BAMBI
ウォッシャブルベルト
■BCA060。天然皮革(裏材は合成皮革)。ベルト幅は10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、22mmの11サイズ。ブラック、ダークブラウン、ブラウン、ネイビー、ベージュ、グリーン、レッドの全7カラー。各4950円
文◎松本由紀(編集部)/写真◎笠井修
【問い合わせ先】
バンビ
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