2020年11月3日に迫ったアメリカ大統領選挙。トランプ大統領が再選を果たすのか、それとも民主党が4年ぶりに政権を奪還するのか、動向が気になるところだが、時計好きとしてもうひとつ気になるのが候補者が着けている時計。今回は第1回目として、現職のトランプ大統領が愛用する時計について調べてみた。
仰々しい性格にマッチした、ゴールドケースの時計を愛用
アメリカ合衆国は建国以来、最も重要な大統領選挙を目前に控えている。この選挙結果はアメリカ人有権者としての真の価値観を明らかにするだけではなく、今後の世界情勢の中でアメリカが果たすべき役割を決定づけるであろう。
党や候補者の当選・再選に向けて、多くの勇気ある努力がなされている中、ここで4名の候補者は一体どんな時計の選びをしているのか、それぞれの着けている時計から候補者の個性を紹介する。
まずは現職の候補者、ドナルド・トランプについて。スポットライトを浴びることで知られ、不動産王、美人コンテストの司会者、テレビ番組のプロデューサなど肩書きが多岐に渡る。彼は常に注目の的である。
トランプタワーの頂上にある、1億ドルのマンハッタンのペントハウスや、フロリダ州パームビーチにあるプライベートリゾート“マラ・ア・ラーゴ”まで、トランプ氏は金と光り輝くものに囲まれるのを好み、それは彼の仰々しい性格にマッチしていることは容易に想像できる。彼が綺羅びやかなゴールドの時計を好むのは当然のことで以下、3本の腕時計を選んでいることからもその性格が読み取れるであろう。
トランプが公の場でよく着用しているのが、ヴァシュロン・コンスタンタンの“ヒストリーク エクストラ フラット 1968(Ref.1968 43043/000R-9592)と思われる時計。この時計の特徴はケースサイズと35mm小振りな金無垢ケースで、1.64mmと薄形の手巻ムーヴメント、キャリバー1003 を搭載。190cmと高身長であるドナルド・トランプが小さいケースサイズの時計を好むのは、ちょっとした驚きである。
2 本目はゴルフに興じている際に着用している時計。パテック フィリップの“ゴールデン・エリプス(Ref.3738/122)”と思われる時計を着用している姿が確認されている。この時計の特徴は、楕円形のエレガントなイエローゴールドケースと深いブルーの文字盤で、ケースサイズは31mm×35.5mm。1968年にファーストモデルが発表されている。
さらに確認することができたのが、イエローゴールドのケース、ブレスレット、文字盤を備えた、ロレックスのデイデイトと思われる時計。1956年に発売された小窓で日付けだけでなくフルスペルの曜日も表示する世界初の時計であり、デイデイト用に特別に製造された半円形の3連リンクのゴールドブレスレット、通称“プレジデントブレスレット”が付属する。
第36代大統領のリンドン・ジョンソンが愛用したことで知られ、マーティン・ルーサー・キング・Jr.やウォーレン・バフェットなど、著名な指導者やビジネス界のトップがそれに続いている。1980年代からロレックスは公式に“ロレックス・プレジデント・デイデイト・クロノメーター”という広告を展開していたが、“ロレックス・プレジデント”という名称とともに、“デイデイト”は現在でもイエローゴールドのロレックスのイメージを象徴している時計といえるだろう。
文◎William Hunnicutt
グラフィック◎船平卓馬