機械式時計の全盛期と言われる1960年代に誕生した名作を現代の技術で蘇らせた復刻モデル。当時のデザインやディテールを忠実に再現しながら、ムーヴメントや材質をアップデートし、現代のライフスタイルに違和感なく馴染む仕上がりとなっている。クラシックとモダンを兼ね備えた魅力で、時計ファンならずとも惹かれるものがある。今回はそんな60年代の名作を再現した復刻モデルから、注目の3本を紹介する。
スーパーシーウルフ ワールドタイム
1882年にスイス、ジュウ渓谷のル・ロックルに創業者アリスト・カラムが創設した時計工房を原点とする老舗ブランドのゾディアック。機械式時計の製造休止など紆余曲折あったが2014年に復活した。
今回紹介するのは、ブランドを代表するダイバーズウオッチシリーズとなるシーウルフの派生モデルとして、1960年代に製作されたワールドタイムを復刻したモデル。時分針やGMT針など細かいディテールを継承。60年代のオリジナルモデルはケースサイズ36mmと小ぶりなサイズだが、復刻モデルは現代的なエッセンスを加え、40mmにサイズアップ。
しかし、デザイン周りはオリジナルモデルの世界観を忠実に再現した。オリジナルモデルよりケース径が4mm大きくなっているが、針もそれに合わせてサイズアップされ、インデックスにしっかり届くようにデザインされた。その結果、サイズアップを感じさせない自然なバランスに仕上げている。先端に夜光処理が施されている時分針や蓄光マーカーを備えた秒針など、オリジナルモデルの仕様と雰囲気が再現されている。2023年発表モデルなので、入手は困難かもしれない。
ディープブルー リバイバル
1737年に創設されたスイスブランドのファーブル・ルーバが日本に再上陸した。新生ファーブル・ルーバのスタートに合わせて登場したのが歴史的ダイバーズウオッチをオマージュしたディープブルーだ。1964年のオリジナルモデルを忠実に復刻したディープブルーリバイバルと、現代風にアレンジしたディープブルールネサンスが発表された。
ディープブルーリバイバルは当時のオリジナルモデルを忠実に再現しつつ、部品ごとの作りやスペックは現代の技術力でアップデートされている。サンレイ仕上げのグレー文字盤にはオリジナルデザインに忠実にバトン型インデックスを採用。オリジナルモデルを彷彿とさせるラジウムカラーの夜光処理がインデックスと針に施されており、ヴィンテージな雰囲気を纏っている。
ケースサイズ39mm厚み12.75mmと比較的小ぶりで薄型ながら、防水性はアップデートされておりオリジナルモデルを超える300mを実現。三角形のリンクを備えた5連のブレスレットはオリジナルモデルを再現するなど、忠実さのディテールにこだわっている。2025年に発売されたばかりなので、購入可能だ。