Towson’s Watch COMPANY(タウソン・ウォッチ・カンパニー)はアメリカ合衆国の首都、ワシントンD.C.に隣接したメリーランド州タウソンで創設された日本未上陸の独立系時計ブランドだ。
ハートウィグ・バルクとジョージ・トーマスはエンジニアとしての経歴を持ち、時計製造とクラフトマンシップへの情熱を追求するためにアメリカに移住。 メリーランド州の港町・アナポリスのアイリッシュパブで出会い、そこで意気投合したふたりは、いくつかの時計プロジェクトに共同で取り組み始め、1998年にトウソン・ウォッチ・カンパニー(以下、 TWC )を設立するに至ったそうだ。
ジョージ・トーマスはチェコ共和国の首都、プラハの生まれで、プラハ、オーストラリアのウィーン、スイスのチューリッヒで時計技師の経歴を持ち、TWCではムーブメントの調整と時計の組み立てを担当している。
ハートウィグ・バルクはドイツ生まれのエンジニア兼デザイナーで、89年に渡米しドイツの石油産業用のホイストメーカー子会社を設立した経歴を持つ。 TWCではバルクが時計デザインの陣頭指揮を執り、各時計の技術的要件を確立している。
今回は、本格機械式時計を限定生産している、タウソン・ウォッチ・カンパニーから、代表的な三つのモデルを紹介する。
【画像】編集部おすすめ3機種、タウソン・ウォッチ・カンパニーの時計を見比べる
Towson’s Watch COMPANY(タウソン・ウォッチ・カンパニー)
カデット
初めに紹介するカデットは、海軍士官候補生の勇気と規律に敬意を表したミリタリースタイルのコレクション。アメリカ海軍ブルー・エンジェルのシグネチャー・カラーで飾られ、特別にデザインされた、100本限定モデルだ。
ブラッシュ仕上げのステンレススチールケースは、直径40mm、厚さ10mmで、ブラックの文字盤にはイエローの夜光アラビアインデックスとバーインデックスがレイアウトされ、フィールドウオッチらしく高度な視認性を確保する。
サファイアクリスタル風防を装備し、50m防水を確保。ムーブメントはスイスのセリタ社製のCal.SW200を搭載。 数種類のレザーベルトが選択可能で、販売価格は 1695米ドル(日本円で約25万5000円)だ。
Towson’s Watch COMPANY(タウソン・ウォッチ・カンパニー)
マーティンM -130
次に紹介する、マーティンM -130は、1935年にメリーランド州ボルチモアでグレン・L・マーティン社が開発した、太平洋航空路のための飛行艇、チャイナ・クリッパーへのオマージュである。 チャイナ・クリッパーは広大な太平洋を横断し、商業飛行の空を開いた最初の飛行機であった。

30年代の歴史的なチャイナ・クリッパー航空機のコックピット・クロック
実用性と精度の象徴であるアメリカ製のパイロットウォッチは、黒と白のモノクロームが主流となったが、航空史においては、魅力的でカラフルな色彩を採用した時代もあり、アメリカン航空黄金時代のコックピットは、カラフルで活気に満ち溢れた空間だった。本作は、その時代にオマージュを捧げ、30年代の歴史的なチャイナ・クリッパー航空機のコックピット・クロックを蘇らせている。
ケースは直径42mm、厚さ14.5mmのステンレススチール製にブラックの文字盤にイエローゴールドとライトブルーのインデックスを配し、赤いマーキング、夜光イエローの針とマーカーが計時機能を際立たせており、文字盤の全体的な調和を生み出している。
サファイアクリスタル風防を装備し、50m防水を確保。ムーヴメントはスイス、ETA社製のCal.7750を搭載。100本限定生産で数種類のレザーベルトから選択可能となっており、 販売価格は4200米ドル(日本円で約63万2000円)だ。
【画像】本格クロノグラフ、マーティンM -130を別アングルから見る
Towson’s Watch COMPANY(タウソン・ウォッチ・カンパニー)
プライド Ⅱ
タウソン・ウォッチ・カンパニーのコレクションのなかでも、最も象徴的なデザインを採用しており、ブランドの顔として機能しているのがプライドⅡだ。
アメリカの国旗の色とハートウィグ・バルケとジョージ・トーマスのイニシャルを特徴とするブランドのシールドロゴをモチーフとしており、文字盤12時位置のロゴと連動するように、ステンレススチールケースも紋章を模ったフォルムを採用している。
滑らかな曲線、シャープなラインが目を引くハイポリッシュ仕上げでケースはサイズが39mm×44mmで、クロノメーターグレードの精度を備えたETAの自動巻きムーヴメント、Cal.2892A2を搭載。三角形の形は、プライド・オブ・ボルチモアIIスクーナー船の船首と寸法を共有し、タウソンの海洋遺産に敬意を表している。
“セーリングウインチ”の王冠とケースバックの複雑な彫刻は、この航海のテーマを象徴するデザインだ。価格は4000米ドル(日本円で約58万4300円)だ。
【画像】盾形ケース採用モデル、プライドⅡを別アングルから見る
》Towson’s Watch COMPANY(タウソン・ウォッチ・カンパニー)
公式サイト
https://www.towsonwatchcompany.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/
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