LowBEATマーケットプレイスに掲載されているアンティーク時計の中から今回は1970年代に製造されたオーデマ ピゲのドレスウオッチを取り上げる。
このモデル、驚くことに文字盤からベゼルに至るまで繊細な装飾がビッシリと施されている。これはボブネイルと呼ばれる装飾で、繊細かつ緻密さがエレガントな雰囲気のため宝飾系ブランドが手掛ける1970年代のドレスウオッチでよく見かける。
ボブネイルとは「靴の鋲釘(びょうくぎ)」の意味で、食器やランプなどヴィンテージのガラス工芸品などでよく見られる装飾で、ボツボツと突起が並んだ感じが靴の鋲釘のように見えることから、ボブネイル装飾と呼ばれるようになったと言われる。
ただ、時計の場合は小さなピラミッド型の四角形が規則正しく並ぶスタイルが多く、そのためクル・ド・パリとも呼ばれている。
さて、ここに取り上げたオーデマ ピゲのドレスウオッチは18金ホワイトゴールド製。ジャガー・ルクルトのCal.920をベースとする自動巻きムーヴメントCal.K2120を搭載する。
両方向巻き上げ式に加えて巻き上げ効率を高めるためにローターに21金を使用しており、機械の仕上げやその造形美もかなり素晴らしい。
わずか2.45mmと当時としては驚異的な薄さを実現したムーヴメントということもあって、18金ホワイトゴールドケースの厚さも6.5mmという薄さだ。それでいて実用的なスクリューバック仕様という点も見逃せない。145万2000円
文◎LowBEAT編集部/時計写真◎プライベートアイズ