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【“金色ハンジャル”にアスプレイの刻印】イギリス軍に贈られたと思われる78年製ロレックス シードゥエラーの中東オマーン仕様

写真◎クールヴィンテージウォッチ

ロレックスの別注モデルとして有名なもののひとつに中東系の軍用モデルがある。その代表的なものがアラブ首長国連邦(UAE)とオマーンだ。ここではLowBEATマーケットプレイス内のショップ“クールヴィンテージウォッチ”の商品として掲載されている、とても貴重なオマーン軍仕様のシードゥエラーについて取り上げたいと思う。

中東系の別注モデル最大の特徴は、文字盤に大きく表示される国章である。オマーン仕様の場合は写真を見てもおわかりのように、交差する2本の剣にハンジャルと呼ばれる湾曲した短剣とベルトが描かれたオマーンの国旗にも見られる国章だ。そしてこれを採用したのが2022年まで国王だったカーブース・ビン・サイード(以降サイード)である。

そんな国章があしらわれたこのシードゥエラーだが、通常のオマーンのロレックス代理店によって販売された国章文字盤とは違い、裏ブタにはイギリスの老舗ジュエリーブランド“ASPREY(アスプレイ)”の刻印が施されている。

実のところサイードは、16歳からイギリスに留学し、20歳のときにはサンドハースト王立陸軍士官学校に入学、卒業後はイギリス軍キャメロニアン連隊に配属されている。そして66年に帰国するものの父のサイード・ビン・タイムールに軟禁されてしまう。息子のサイードは70年にクーデターを起し、それをイギリスが支援。結果的に父親を倒しブーサイード家の第14代君主としてオマーン国王となった。

そのため支援してくれたイギリス軍の特殊部隊や貢献者に対して感謝の気持ちとして様々な贈り物をしたと言われている。このシードゥエラーもそのひとつでイギリス軍に贈られたものだったようだ。ただオマーン仕様を作るにはイギリスのロレックス代理店を通さなければならないため、アスプレイの刻印はその証というわけだ。

ロレックス シードゥエラー Ref.1665(1978年製) 価格応相談
文◎LowBEAT編集部/協力◎クールヴィンテージウォッチ

【画像】オマーン仕様の細部写真をチェック!

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