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国産ブランド、“セイコー プロスペックス”【1000m防水モデルほか2選】ツナ缶こと、“外胴ダイバーズウオッチ”の進化形

精密機器である時計にとって最大の脅威となるのが湿気と水。1956年にロレックスがオイスターケースを発表したことが知られているように、時計界では20年代からすでに防水時計の開発は進められていたのだが、本格的な潜水用のダイバーズウオッチが誕生したのは50年代であった。

当時、スイスの有力ブランドを中心にダイバーズウオッチの開発競争が激化していたが、そんななかで国産ブランドとして本格ダイバーズウオッチの開発に先鞭を付けたのがセイコーだ。

1965年に発売された初代150mダイバーを原点に改良を続けていたセイコーのダイバーズウオッチ。その進化の歩みは68年に服部時計店に届いた一通の手紙により、大きな転換を迎える。手紙の送り主は広島県呉に住むプロのダイバーで、「現在市販されているダイバーズウオッチは、国産品も輸入品も300m以上の深海潜水において飽和潜水システムに耐えられない」という趣旨の内容であった。

セイコーは技術者を中心とするプロジェクトチームを結成してヒアリングを開始し、75年に飽和潜水に対応する世界初のチタン製ワピースケース採用のダイバーズウオッチ、プロフェッショナルダイバー600mを完成させる。

1975年に開発されたという世界初のチタン製ケース+外胴プロテクター構造ダイバーズのオリジナルモデル

1975年に開発されたという世界初のチタン製ケース+外胴プロテクター構造ダイバーズのオリジナルモデル。外装だけで20件に及ぶ特許を取得しており、セイコーのダイバーズウオッチの基準を定めるモデルのひとつとなった。

ダイバーズウオッチとしては初めてとなるチタン製のワンピース構造ケース、擦過性を高めるためにセラミックの粒子を溶射処理で施した外胴プロテクター、水圧を受けても手首にフィットする蛇腹式ポリウレタンゴム製伸縮ベルトなど、開発した世界初の技術は20件以上に及び、機能性、デザインを含めて、当時、屈指の完成度を実現。その特徴的な意匠と設計思想は、現行のプロスペックスにも脈々と継承されている。

 

【画像】SEIKO(セイコー)外胴ダイバー、進化系2モデルを見比べる


SEIKO_SBBN047

■Ref. SBBN047。TI(スーパー ブラックダイヤシールド加工/49.4mm径)。1000m飽和潜水用防水。クォーツ(Cal. 7C46)。39万500円

SEIKO PROSPEX(セイコー プロスペックス)
マリーンマスター プロフェッショナルSBBN047

1975年に完成した世界初のチタン製ケース+外胴プロテクター構造ダイバーズのDNAを継承。チタン製のワンピースケースに逆回転防止ベゼルを載せ、それをセラミック製の外胴でカバーする独自構造により、飽和潜水で使用するヘリウムガスの侵入を防ぐ驚異的な気密性を実現。600mから1000m防水にスペックが強化されている。

 

【画像】セイコーの外胴ダイバーズ、別アングルから見る

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