ドバトとキジバト、アオバトに時計のカラーを思う。
生きものと時計──まるで掛け離れた存在のように思うかもしれないが、進化を繰り返し多様なスタイルが生まれたという点で、似ている部分も多々ある。その共通項を探り、ナナメから時計を見ることで新しい魅力を発見するコラム、第1回でフォーカスするのは、最も身近な生きものの“鳩(ハト)”!
その辺にいる鳩、実は1種類じゃないってご存じ?
鳥好きには当たり前の話になってしまうのだけれど、日本に住む我々が“鳩”として認識している鳥には、実は大別して2種類がいることをご存じ? 知っているか知っていないかを、瞬時に判別できる質問がある。
──鳩って、どんな鳴き声?
2種類いることにパッと思いがいたらないアナタは、おそらく“クルックー、クルックー”という鳴き声を思い浮かべたはずだ。ずばり、その鳩の名は“ドバト”。駅前の公園やら何やらで群れを作ってクルックーしている灰色ベースのふっくらした鳩(首筋にヌラヌラした緑やら紫やらの光沢がある)は、このドバトである。ちなみに原種は“カワラバト”という外来種で、これを品種改良した伝書鳩が逃走→野生化したものがドバトなのだそうな。
【画像】鳩とシンクロした腕時計3選、デザインの違いを見比べる
ここで、“クルックー”を思い浮かべたアナタにもうひとつの質問を投げかけたい。よく明け方に“ポーデデッポポー、ポーデデッポポー”と鳴いているあれは何の鳥?と。
もちろんフクロウではない。答えは“キジバト”だ。キジバトが群れでいることは少なく、ほとんどは、つがいか単体でいる。姿カタチもドバトほどふっくらしておらず、何だかシュッとしていて、個体差による模様の違いも少ない。キジバトは全身が赤茶基調の整然と並ぶ鱗模様に覆われていて、ドバトよりも渋みがある。首の水色と黒の紋様も美しい。個人的見解をいえば、実に“貴族”的なエレガンスを纏っている。
対して前述のドバトは、いかにも“庶民”といった感じだ。“普通”と言い換えてもいいだろう。いつも群れでいること=遭遇率の高さがそう思わせるのかもしれないが、これは時計のケース色のイメージにも言えるのではないか?
時計のケースといえば、“シルバー”色のそれがベーシックである。いい意味でありふれているからこそ、安心して身に着けることができる(自分の愛用する時計の8割もシルバー色のそれだ)。シルバーの時計を“鳩”でいえば、一番そのヘンにいる=最も種が繁栄しているドバトだろう。
一方、“ゴールド”色のケースはどうだろうか? 歳を重ねてこそ似合う渋さもさること、特有のエレガンス、“あれ、いつもと何か違う”と思わせる意外性、“孤高”の印象は、鳩に喩えるならキジバトである。鳩と聞いて、二番目に出てくる鳩である。どちらかというとファーストウオッチというよりセカンドウォッチの印象があるあたりにも共通項を感じる。
翻って山地や湘南の海岸などの地域には、ドバトでもキジバトでもない第3の“アオバト”という鳩がいる。なぜか海水を飲む。この鳩は灰色でも茶色でもない、蛍光黄緑をベースとした、子どもが塗り絵で好き勝手に塗ったような嘘みたいな体色をしている(ぜひ検索してほしい!)。サードウオッチには、そんなド派手なアクセントカラーの1本を選ぶのも一興だろう。
さて、3種類の鳩に言及してきたが、アナタの好みは何鳩だろうか? 170周年を迎えたアメリカの“国民的時計”メーカー、タイメックスの名作に“クラシック・デジタル”、通称“角デジ”という時計がある。そしてそのラインナップには、王道のシルバー、ゴールドとともに、文字盤やベルトが蛍光色基調のグラデを描くスチールブルー(※)が存在する。鳥好きにとってそれはドバト、キジバト、アオバトの化身に映る!? ことだろう。
というわけでぜひ、“推し鳩”カラーの角デジを身に着けられたし。
※スチールブルーはクラシック・デジタルをベースに生まれた「タイメックス 80」のカラー。
〜ドバト推しのアナタに〜
TIMEX(タイメックス)
クラシック・デジタル(シルバー)
デジタルウオッチの名作として愛され続けている、1990年登場の通称“角デジ”。8角形型のケースが呼び名の由来だ。艶やかなポリッシュ仕上げのケース素材は、こう見えてレジン。びよーんと伸びて適当に着けられるエクスパンションバンドと相まって、いい意味でのチープシックを体現する一本である。派生モデルも含めるとそのバリエーションは多岐に及ぶが、スタイリングを選ばない汎用性の高さで選ぶなら、選ぶべきは最定番色のシルバー、一択だろう。
デジタルだけに機能も充実し、文字盤全体が発光するインディグロ®ナイトライト機能ほか、アラーム機能、タイマー、クロノグラフ機能等を備える(以下のモデルも共通)。
〜キジバト推しのアナタに〜
TIMEX(タイメックス)
クラシック・デジタル(ゴールド)
歳を重ねた肌にも馴染みがいい、ゴールド色の角デジ。大人っぽさで選ぶなら、こちらに敵う色はないだろう。反面、ゴールドというと成金趣味なネガティブイメージもあるが、1万円ちょいのタイメックスなら嫌味もなく、そもそもシンプルかつ小ぶりな角デジなら悪目立ちする心配もない。ゴールド色のデビューウォッチとしてもおすすめだ。
またケースがレジン製というのもあって、長年使い込むといい具合に塗装が薄まり、渋みを増していく点もポジティブに評価したい。
〜アオバト推しのアナタに〜
TIMEX(タイメックス)
タイメックス 80(スチールブルー)
“タイメックス 80”は、クラシック・デジタルを基に生まれたイタリア企画のファッション流通向けコレクション。スタイリッシュ、かつ遊び心のあるモデルが揃うが、最新モデルはとりわけ華やかで個性が立っている。蛍光グリーンやブルーを纏った本品は、それを象徴する一本だ。ラバーベルトも、グラデーションが美しい凝ったカラーリングのそれを搭載する。
なお、クラシック・デジタルとは異なり、ケースにヘアラインサテン仕上げのSS素材を用いているのも本品の特徴。定番のそれよりも高価だが、その分、上質感がある。ともあれ、他人と違う個性派を求める向きには、うってつけの一本となるだろう。
【画像】タイメックス 80(スチールブルー)を別アングルで見る
【問い合わせ先】
ウエニ貿易
TEL.03-5815-3277
文◎秦 大輔
1980年生まれ。モノ雑誌やファッション雑誌を中心に様々なメディアで執筆をこなす、カジュアルウォッチ&生きものラバー。
構成◎船平卓馬(編集部)/写真◎水橋崇之(時計)
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