Zelos(ゼロス)はエルシャン・タンによって2014年に創設された、シンガポールを拠点とする独立系マイクロウオッチブランドである。10代の頃から時計に強い興味をもち、時計の収集を始めた生粋のコレクターでもある。
2010年代初頭に時計トレーダーとしてビジネスをスタートしていたエルシャンは、その後、シンガポール国立大学で機械工学の学位を取得。時計トレーダーとして働き続けるなかで、同じブランドの時計を取引するマンネリな時期が続いたことで、自分自身で何か違うことをやってみたいと思うようになり、ゼロスを立ち上げたそうだ。ゼロスというブランド名は、ギリシャ神話の熱意と情熱の神に由来している。
エルシャンによりデザインされたゼロスは独創的で個性的なデザイン、リーズナブルな価格帯が特徴となっており、手の届く価格帯でプレミアムな体験を得ることができる。実は、以前にもウオッチライフニュースで取り上げたことがあるのだが、その後も積極的にコレクションを拡充しており、素材、デザイン、機構と全方位でアップデートに取り組み、シンガポールがもとより、日本や欧米の時計愛好家の支持を高めているのだ。今回は、そんあゼロスの新作コレクションから二つのモデルを紹介する。
ゼロス
スレッシャー・ワールドタイマー
最初に紹介するスレッシャー・ワールドタイマーは、ミリタリーの頑丈さと現代的な素材が融合したGMTウォッチで、日常的な冒険のために特別に作られたそうだ。 海面下数百メートルに生息し、巨大な尾を使って獲物を気絶させて捕食するサメ、オナガザメに由来し、1200HVと高硬度のチタンケースが採用されている。
複数のタイムゾーンを簡単に把握できるワールドタイム仕様のベゼルを装備し、文字盤デザインはミリタリーにインスパイアされてる。 アラビアインデックスには、スイスのスーパールミノバであるルミキャストを塗布し、昼夜を問わない優れた視認性を確保している。
ケースサイズ 41mm、厚さ11.5mmのチタンケースにはヴィンテージスタイルのドーム型サファイアクリスタル風防とねじ込み式リューズを装備し、防水機能は200mを実現。 ムーヴメントはカスタムローターを備えた、ミヨタのCal. 9075が搭載されている。ケースと同じく1200hv高硬度チタン製ブレスレットが付属し、6色展開。ストラップ、ブレスレットのバリエーションがあり、販売価格は729米ドルから849米ドル(日本円で約11万円から約12万9000円)だ。
【画像】MOP、ダマスカススチールほか、バリエーションを見比べる
ゼロス
スピアフィッシュ・デュアルタイム
次に紹介するスピアフィッシュ・デュアルタイムは、二つの日付け表示ディスクを備えたグランデイト機構と、サブダイヤルにデュアルタイム機能を備えたモデル。文字盤、デイト表示とサブダイヤルの地球儀にスーパールミノヴァのC3とBWG9を塗布し、各インデックスは精巧なポリッシュ仕上げを採用。セミスケルトン仕様の文字盤から、グランデイト機構の動きを楽しめる。
ケースサイズ 40mm、厚さ10mmの1200HVの高硬度チタンケースは、なめらかなラインと下向きに細くなったラグが特徴で、手首に心地よくフィットしてくれる。
ヴィンテージスタイルのドーム型サファイアクリスタル風防、ねじ込み式リューズにより100m防水を備えているため安心して着けられる。
ムーヴメントは TT651モジュールを搭載した、セリタの0自動巻きムーブメント、Cal.SW30を搭載。 1200HV高硬度チタン製ブレスレットが付属し、5色展開でストラップ、ブレスレットのバリエーションがある。 販売価格は2,199米ドル(日本円で約33万5000円)だ。
》Zelos(ゼロス)
公式サイト
https://zeloswatches.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/