2024年も数多くの注目モデルが登場したが、そのなかでも目を引いたのが、セイコーが過去の銘品やアイコニックなモデルを元にした3本だ。伝説的なデザインを現代的に再解釈したこれらの時計は、セイコーのクラフトマンシップと革新性を改めて感じさせる仕上がりになっている。本記事では、3本それぞれの魅力と背景を紹介する。
■キングセイコー KS1969
1960年代後半から1970年代にかけて、日本の機械式腕時計の発展を牽引したとされるキングセイコーは、様々なケース形状のモデルを発表した。Ref.KS1969はその後のキングセイコーのデザインに影響を与えたアイコニックなモデルを現代の技術で進化させたモデルだ。
ケースは薄さが際立つ特徴的な曲線をもつケースは、丸みを帯びたボックス型のサファイアクリスタルと相まって、エレガントな印象に仕上がっている。セイコーの現行機種で最も薄い自社製自動巻きムーブメントCal.6L35を搭載し、ケース厚9.9mmの薄型化を実現した。
1970年代のキングセイコーから着想を得て、多列のブレスレットを新たに開発した。鏡面とヘアライン仕上げの組み合わせにこだわり、着用時に光を反射することで、気品ある輝きを放っている。しなやかに動くブレスレットと薄型の低重心ケースにより、心地良い装着感が得られる。販売価格は、39万6000円となる。
■セイコー プロスペックス メカニカルダイバーズ 1965 ヘリテージ
1965年に誕生したセイコーのダイバーズウオッチの原点を現代に受け継ぐ”1965 ヘリテージ”モデル。防水性能と持続時間を現代の技術で進化させた。1965年に発表した国産初のダイバーズウォッチであり、セイコーのダイバーズウォッチの歴史の原点でもある。
2020年に発表されたRef.SBDC101は、200m空気潜水用防水と70時間のパワーリザーブを備え、1965年の初代モデルから受け継ぐヴィンテージスタイルのデザインが世界中で高い評価を得ていた。今回、更に改良を加えたモデルを発表している。
まず、200m空気潜水用防水を300mへ強化した。さらに、日付窓を4時と5時の間に配置したことで、12か所のインデックスがルミブライトで発光する。これにより、シンメトリーなデザインとなり、暗い状況下での更に高い視認性も確保した。さらにケースサイズを40.5mmから40mmへサイズダウンさせ、コンパクトにデザインされている。販売価格は、17万6000円となる。