1996年に設立されたスイスの時計ブランド“パルミジャーニ・フルリエ”は、“オブジェ・ダール”コレクションより、新しいマイルストーンとなる新作“ラルモリアル・レペティシオン・ミステリューズ”を発表した。
ブランドが毎年恒例としている12月2日(ミシェル・パルミジャーニの誕生日)の新作発表で登場した“ラルモリアル・レペティシオン・ミステリューズ”は、五つのユニークピースから構成されるシリーズで、どのモデルも現代のウォッチメイキングの歴史の大きな節目と位置付けられている。もちろん、本作も従来の常識を覆す画期的な逸品として、芸術的な美しさと卓越した音響技術を組み合わせた作品に仕上げられている。
42mm径のホワイトゴールドケースはシリーズ専用に特別に制作されたもので、ドーリア式の柱と黄金比に着想を得たデザイン要素が、古典建築の幾何学的な精密さと時代を超越したエレガンスを際立たせている。また、ピンバックルに至る細部まで彫り込まれたあらゆるディテールに、パルミジャーニ・フルリエを象徴する調和と完璧な美への追求が表現された。
文字盤の表側は、繊細なギョーシェ模様のある半透明パステルグリーンのグラン・フーエナメルを引き立てるように、無限を表すメタファーでもある“松かさ”のエングレービングが施され、その全面が芸術的なクラフツマンシップに捧げられている。時刻表示は裏側に隠されており、ケース裏にローズゴールド製の時針と分針が控えめに配された。このデザインには“時刻を確認する行為を私的で贅沢な体験にする”というブランドの狙いが込められている。
そして、本作の大きな特徴であるミニッツリピーターによって、時、四半時、分の識別を可能に。明快かつ精密に調整された音による時刻通知という、至高のウオッチメイキングが味わえる。
その複雑機構を含めて時計を動かすのは、ルノー・エ・パピ製作の手巻きムーヴメントで、ケースにしっかりと固定されたカテドラルゴングが音の響きを高める一方、ケースの裏側と側面の空洞が音を増幅させることで、他に類のない明瞭さと純粋な音色を実現している。また、72時間というパワーリザーブもポイントのひとつだ。
時計を収める箱も特別製で、優れた音響特性で知られ、世界中の弦楽器職人に愛されるリズー産のトウヒ材が用いられている。中には共鳴装置が備えられているため、ミニッツリピーターの音にゆたかさと奥行きが加えられるといい、所有者は稀有な感覚を体験できる。
【問い合わせ先】
パルミジャーニ・フルリエ
TEL:03-5413-5745
文◎Watch LIFE NEWS編集部