1755年の創業以来、270年近く一度も途切れることなく時計製造を続ける世界最古のマニュファクチュール“ヴァシュロン・コンスタンタン”は、文化的で概念的な多様な知覚を通して、時の概念を探究するシリーズ“レ・キャビノティエ・ル・タン・ディヴァン(神聖な時)”より、ギリシャ神話をモチーフとした二つのユニークピースを発表した。
【画像】素材違いで2モデル展開、芸術的な二つの時計を見比べる
装飾芸術と機械工学の融合を深化させる“レ・キャビノティエ・ル・タン・ディヴァン(神聖な時)”シリーズ。ギリシャ神話をモチーフにした2モデルは、四つの特許で守られた瞬時ダブル・レトログラード表示と、2軸アーミラリ・トゥールビヨン調速装置を備えたムーヴメント“Cal.1990”が搭載され、時の神“クロノス”と“無限の時”への賛辞を贈る腕時計に仕上げられた。
時計の右側にあるレトログラード表示は、半円を描くミニッツトラック上に、時間を示すローマ数字と分を示すアラビア数字が添えられ、グレード5のチタン製針により時刻を読み取る仕様だ。ミニッツトラックは大きなインナーベゼルのみに刻まれており、ムーブメントの一部を鑑賞することもできる。
ドーム型サファイアクリスタルで覆われた二つの軸を持つアーミラリ・トゥールビヨンは、文字盤左側を占めるようにレイアウトされた。毎時1万8000回振動で鼓動するこの調速機構にはスモールセコンドが配され、どちらも60秒に一回転する二つのアルミニウム製キャリッジを重ね合わせた構造が特徴となっている。
また、トゥールビヨンの中心部には、外端カーブを持たないシリンダー型のひげゼンマイを備え、このひげゼンマイは同心を保ちながら完璧に展開することで最上の等時性を保証。精度をさらに高めている。
18Kピンクゴールドをケースに採用したモデルは、表面は余すことなく彫金職人による装飾を実施。ギリシャのフリーズから着想を得た幾何学的なモチーフが、精密な作業によって刻まれている。さらに、ミドルケースの9時位置に配された手に砂時計を持ったクロノス神は、バ・ルリエフ(浅浮き彫り)で添えられ、総計290時間以上の作業を費やしてクロノス神を讃えるモデルが生み出された。
ローマのパンテオン(万神殿)から着想を得たというホワイトゴールド製モデルは、ケース側面に放射状の遠近法を用いたドームの幾何学的モチーフを選択。平面にピラミッド型の深み効果を生むために、彫刻刀を傾ける角度を変えることでモチーフの正方形の間の溝を徐々に細くしていくタイユ・ド・ジュ技法が用いられている。さらに、ケースの装飾を想起させる独創的な幾何学的モチーフが、キャリバーのメインインプレートとブリッジを覆うように施された。
その複雑さを余すところなく見せるムーヴメントの高度な技術と、装飾芸術のハイレベルなバランスにより生み出された2つのユニークピース。時計の裏面には“PIÈCE UNIQUE”“LES CABINOTIERS”の文字と“AC”の紋章が刻印され、世界でただひとつの時計であることが証明されている。
【問い合わせ先】
ヴァシュロン・コンスタンタン
TEL.0120-63-1755
文◎Watch LIFE NEWS編集部
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