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11月9日(土)と10日(日)の両日、JR原宿駅至近のイベントスペース“キャピタル原宿”にて、アメリカ発の老舗時計ブランド“ハミルトン”と、服好きから支持を集める広島の古着セレクトショップ“LEAD”との、ジョイントイベントが開催された。
1892年、ペンシルバニア州ランカスターで創業したハミルトンは、長きにわたってアメリカ軍へ時計を納入してきたことでも知られる名門ウオッチブランド。1917年にアメリカ軍のオフィシャルサプライヤーに任命され、優れた精度、タフネスを保ちながら軍の要望を迅速に技術革新につなげる能力が評価され、5度の“Army-Navy 'E' Award”を受賞する誉れを得た。
そんなハミルトンを代表する時計が、1940年代〜70年代の軍用時計をオリジンとする“カーキ”シリーズだ。堅牢にしてラギッドな趣をもつその時計は、時計ファンのみならず、世界中のファッショニスタに愛されてきた。
とりわけアメカジとの相性は抜群! であり、今回のイベントはそんな“カーキ”シリーズの魅力に、古着を通したアメカジ視点でフォーカスするもの。時計の本質を深く知ることができるだけでなく、スタイリングのヒントが得られるというのも、実に新鮮な切り口と言えよう。
イベントでは”カーキ“シリーズの時計をディスプレイするとともに、LEAD代表の高雄大善氏がその世界観にマッチするヴィンテージクロースを厳選して陳列。
高雄氏の呼びかけに賛同したファッションディレクターの金子恵治氏、“NEAT”デザイナーの西野大士氏、“キャプテンサンシャイン デザイナー”の児島晋輔氏の私物からなる古着も陳列され、併せて販売も行われる貴重な機会となった。
写真奥の時計は、1940年代以降、アメリカ軍の兵士が標準装備として身に着けていた“ミリタリーウオッチ グレードⅡ(1944)”。グレードⅡとは米軍が指定する精度要件のことで、腕時計においても早くから厳格なミルスペックが整備されていた。
翻って手前の時計は、“キャンティーン ダイバー(1951)”。アメリカ海軍の特殊部隊、水中爆破チームUDTに採用された、リューズキャップ付きの防水時計である。イベントではこれら貴重なアーカイブが、同年代を彩ったリーバイスの506XX(通称ファースト)や、シンチバック付きの希少な501とともに展示されていた。時計はともに、”カーキ“の源流をなすモデルである。
会場には、イベントのために取り寄せたアーカイブのミリタリーウオッチと、同時代を彩ったアメリカンワードローブ、そして現行の”カーキ“シリーズをひとどころに並べたユニークなコーナーも。”カーキ“とアメカジとの親和性、現行モデルの再現性がひと目でわかる展示に、多くの来場者が足を止めていた。
【画像】“カーキ”シリーズ5機種、オリジナルと現行モデルを見比べる
新旧の“カーキ”シリーズと
貴重なヴィンテージクロースの競演に
タイムレスな価値を見る
ハミルトンからのラブコールを受けてイベントを主導した“LEAD”代表の高雄大善氏は、セレクトした古着について次のように語る。
「ハミルトンは、アメリカやイギリスなどの軍隊へミリタリーウオッチを卸してきた由緒あるメーカー。今回のイベントは“カーキ”がテーマというのもあって、各軍、各年代のミリタリーアイテムをセレクトして並べました。ミリタリーと肩を並べる相性のいい服として、ワークアイテムも多く持ちこんでいます。また、”カーキ“を身に着ける人のライフスタイルをイメージして、ユーロ系のラックも作りました」。
そんな高雄氏の出で立ちは、1950年代のリーバイス“501Z XX”のデニムに、シルクカシミアのキレイめなニットやスエード靴を縦横無尽に合わせたミックススタイル。腕元には、70年代後半〜90年代初頭にかけてL.L.Beanの特注を受けてハミルトンが製造していた、ダブルネームの小振りな”カーキ“がさりげなく主張する。「L.L.Beanも好きなもので。もともとドレス寄りな時計が好きなのもあって、小振りなサイズ感が気に入っています」とは高雄氏の談だ。
では、高雄氏の思うハミルトンの魅力とは何だろうか?
「やはり“歴史”じゃないでしょうか。実績に裏打ちされているから、買いやすい価格でいて格がある。だからミリタリーやワークなどの男臭いファッションはもちろん、小綺麗な格好まで幅広いファッションに合うのだと思います」。
“カーキ”シリーズとヴィンテージクロースの競演──。2日間のイベントを通して示されたのは、”カーキ“と古着との相思相愛、アメカジとの親和性にとどまらない、歴史に裏打ちされた本物だけが備える、タイムレスな価値だった。
アメリカンカルチャーを受け継ぐ
アドベンチャーウオッチ
“カーキ”シリーズの5大人気モデル
今回のジョイントイベントでは、選りすぐりの古着とともに“カーキ”シリーズの主要モデルの展示が行われていた。ここからは、とりわけ人気の高い5大モデルの魅力にフォーカスする。
なお撮影に際しては、LEAD代表の高雄氏に、それぞれの時計や色味や雰囲気と相性のいいヴィンテージクロースをコーディネイトしていただいた。モデルによる違いに目を配らせつつ、スタイリングの参考に、ぜひ活用していただきたい。
カーキ フィールド メカ × ヘリンボーン織りの“M-43ジャケット”
1960年代のベトナム戦争期、米国陸軍兵士に支給された手巻き時計の復刻版。ベースは使い捨てのディスポーザブルウオッチが普及する以前のモデルであり、防塵・防水に優れるマットな風合いのステンレススチールケースが、堂々たる佇まいを表す。文字盤は軍用時計の王道をゆく、外周に1から12、内周に13から24までの24時間を表記したデザイン。径はオリジンの36mmから現代の中庸というべき38mmにアップサイズされており、多様なスタイルに合わせやすい。
40年代製のヘリンボーン織りのM-43ジャケット。アメリカ陸軍に納入されていたユニフォームであり、フロントには13個の星が刻まれた通称“サーティスターボタン”が輝く。数が13個なのは、アメリカが独立した際の州の数に由来するともいわれる。参考価格6万5780円。
カーキ フィールド クォーツ × リーバイスのデニムジャケット“507XX”
英国政府の非軍人に向けて1960年代に製造された“ハミルトン G.S.(General Service)”をベースにデザイン。クォーツムーヴメントを搭載しつつ、“カーキ フィールド”らしい、ミリタリーをモチーフにした配色で彩ったシリーズだ。文字盤の外周には鉄道路線を模したミニッツトラックがあしらわれている。白文字盤に映えるインデックスは、オールドラジウムカラーのスーパールミノバを施したもの。ヴィンテージデニムとの好相性も、ご覧のとおりである。
古今東西の古着好きの憧れ。近年高騰が続いている、リーバイスのデニムジャケット「507XX」(通称セカンド)である。こちらはいい塩梅に色落ちしているが、50年代製にして状態は良好。色の濃いものだと100万円を超える値付けもざらだという。参考価格54万7800円。
カーキ フィールド マーフ オート 42mm × ウールジャケット”ブラウンズビーチ”
ハミルトンと映画の関係は深く、500本以上の時計を映画へ提供してきた歴史がある。コブラ針がアイコニックな本モデルも、2014年のSF映画『インターステラー』のために製作された小道具がベース。主要キャラのマーフィー(マーフ)・クーパーが重要なシーンで身に着けていたことから話題となり、製品化にいたったものだ。写真は、オリジナルの42mm径だが、ファンの要望を受けて後に38mm径のモデルが登場。バリエーションも追加され、自分のスタイルにあった1本を選ぶことが出来る。10気圧防水のスペックも頼もしい。
1930〜40年代製の“ブラウンビーチ”と呼ばれるウールジャケット。“デカボタン”の愛称で親しまれるスナップボタンを備え、これによりひと目で古い年代のものとわかるという。表情豊かな生地=ビーチクロスは、強いハリコシとは裏腹、伸縮性に富む。参考価格43万7800円
カーキ パイロット パイオニア メカ × ワークジャケット”ウォバッシュストライプ”
ベースは1970年代に誕生し、イギリス軍の関係者に支給されたアビエーションウオッチ。そこへ現代のスペックを乗せて復刻した3針時計である。ステンレスの塊をくり抜いて成型されるケースは、独特の存在感を放ちながらも手なじみがよいオーバル形状。ボックス型の風防が、古きよき雰囲気を後押しする。ヘアライン仕上げによるマットなケースと梨地の文字盤の相性もよく、大人の渋みを感じさせる。これがラフな質感の古着とも、実によくマッチするのだ。
インディゴブルーに白のドットが並ぶストライプ=ウォバッシュストライプ生地を用いた、20年代製の極めて希少なワークジャケット。ボタンは着脱可能なチェンジボタン。参考価格305万8000円。
カーキ パイロット パイオニア メカ クロノグラフ × カバーオール"ピンチェック”
こちらは、1970年代に英国空軍(RAF)のパイロットのためにハミルトンが製造したモデルの忠実復刻版。水平に並んだ二つのサブダイアルや、リューズやプッシュボタンを保護するべく右側面のみ厚くした左右非対称のケースに、クラシカルな軍用クロノグラフの匂いが色濃く漂う。ケース径は40mm。オールドラジウムカラーのスーパールミノバ夜光のインデックスが、黒文字盤に映える。60時間パワーリザーブ、10気圧防水のスペックを備え、実用性も申し分ない。
こちらも非常に珍しい、ピンチェック生地を用いた20〜30年代製のカバーオール。つくりはいかにもワークウエアらしい、簡素かつ合理的なそれである。参考価格87万7800円。
【問い合わせ先】
ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン
TEL.03-6254-7371
“ハミルトン:直営旗艦店”で“カーキ”シリーズをチェック
イベントで展示された“カーキ”シリーズの主要コレクションは、東京、原宿にある“ハミルトンブティック 東京 キャットストリート”で実機を確認できる。記事で紹介したモデルのほかにも多彩なラインナップを展開しているので、実機で時計の質感や装着感をぜひチェックしてみよう。
ハミルトンブティック 東京 キャットストリート
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-14-5
営業時間:11:30~20:00(不定休)
TEL:03-3400-1181
ハミルトン公式サイト
https://www.hamiltonwatch.com/ja-jp/
文◎秦 大輔
1980年生まれ。大学卒業後に編集・ライターとしてのキャリアをスタートし、ファッション誌、モノ雑誌を中心に、ウェブメディアでも原稿を執筆。時計についてはタイメックスを愛用しており、2021年に発行された『TIMEX PERFECT BOOK』でも執筆を担当している。
構成◎船平卓馬(編集部)/写真◎水橋崇之
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