ダイグレモン・ウォッチ（Daigremont Watches)はフランスを拠点とする、日本未上陸の独立系マイクロウオッチブランドだ。
大きな特徴となっているのが文字盤。芸術的な名画からインスピレーションを得て、ハンドペイントで文字盤に油絵を描いており、油絵と腕時計の融合を体現している。
全て職人が手作業で絵を描くので、指紋や虹彩のように唯一無二の文字盤となる。
油絵の技法を用いて職人が細筆で丁寧に手描きした文字盤は、製作に10時間から20時間を要し、乾燥の工程を含めると完成するまでに数週間が必要となるそうだ。 すべてのダイグレモンの時計は忍耐と正確さ、卓越した芸術的な眼差しによって生み出される。
裏ブタはシースルーバック仕様となっており、セイコーの自動巻きムーヴメント、Cal.NH35Aの動きを楽しめる。ローターには文字盤のテーマや色に合わせたペイントを施しており、メカニカルなムーヴメントに芸術的でユニークなアクセントを加えている。
ダイグレモンはブティックに来店した顧客を対象として、手描き文字盤を創るワークショップも実施している。著名な画家の作品からモチーフとする題材を選定するほか、顧客に具体的なイラストのアイデアがある場合、ダイグレモンの専門チームの助言によって、そのアイデアを具現化する場合もあるそうだ。
今回は、ほかにない個性を主張するダイグレモンのウオッチコレクションから、三つの時計を紹介する。
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ダイグレモン・ウォッチ（Daigremont Watches )
“セラフィーヌ・ルイ：フルーツ”
この時計は、画家セラフィーヌ・ルイの作品“Les Fruits”をモチーフにした文字盤デザインが特徴となっている。1928年に描かれた原画は、鮮やかなコントラストの色彩で重力から解き放たれた果実を描写している。素朴派の作品で知られるセラフィーヌは、作品に深い色彩を用い、ほとんど催眠術のようなシンメトリーを与え、見る者の目を引きつける作品となっている。
ダイグレモン・ウォッチ（Daigremont Watches )
ジョルジュ・スーラ：アニエールの水浴
点描画法を創始した新印象派の画家ジョルジュ・スーラが1884年に描いた“アニエールの水浴”がモチーフ。セーヌ川のほとりでくつろいでいる夏のある日の午後の情景をとらえた作品で、点描画の技法で描かれている。 この革新的な技法は、独特の明るさと質感を生み出す色のストロークで構成され、独創的な手法で光と色の効果を探求しながら、日常の瞬間を不朽のものとしている。
ダイグレモン・ウォッチ（Daigremont Watches )
フランティシェク・クプカ：垂直線の中のクプカ夫人
1910-11年に描かれたフランティセック・クプカの作品に基づいたモデル。色彩とフォルムに焦点を当てた芸術運動であるオルフィズムを象徴した作品として知られておろ、 暖色と寒色の間には彼の妻、ウジェニー・クプカが抽象的でカラフルな縦線の環境に溶け込んでいる。
今回紹介した時計は、すべてケースサイズが直径 36mm、厚さ12.5mm、未加工のブロンズケースを採用。 文字盤は油絵の具で手描きで製作されており、フランスで組み立てを行っている。防水機能は50mで、風防はサファイアクリスタル風防を装備。 カーフスキンのレザーベルト仕様で、販売価格は 1700ユーロ(日本円で約27万8000円）。
【画像】鮮やかな色彩と立体的な質感がすごい、油絵文字盤をもっと見る
》ダイグレモン・ウォッチ（Daigremont Watches )
公式サイト
https://www.daigremont-watches.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
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