時計産業の中心地・スイスには数多くの時計ブランドが存在する。時計づくりの本場なだけに、誰もが知る数々の高級時計ブランドが本社を構えていることでも有名だ。
スイスの周りのヨーロッパ各国のほか、日本を含めたアジア各国でも数を増やしている時計ブランドのなかでも、主にカジュアル帯〜ミドルレンジの価格帯において粒揃いなのがアメリカブランドだ。いかなる状況でも高い精度が必要な鉄道用時計の生産とともに技術力を高め、100年以上前から厳格な基準のもとで生産を続けてきた実績で、精度とタフさを兼ね備えたツールウオッチに強みをもつブランドも多い。
そこで本記事では、手頃な価格帯で高品質な時計を生み出すアメリカブランドをクローズアップ。各ブランドの簡潔な紹介に加え、新作を中心としたおすすめ時計をピックアップしている。
【手頃な価格帯の高コスパ時計が魅力!アメリカ時計ブランド①】
TIMEX(タイメックス)
1854年に誕生した“ウォーターベリークロックカンパニー”を起源に、2024年に創業170周年を迎えたアメリカで最も長い歴史を誇る老舗時計ブランド。一般人でも手に入る時計を作るというコンセプトのもと、大衆向けの実用モデルを主として生産している。19世紀には世界初の安価な機械式ポケットウオッチ、20世紀以降はベトナム戦争をルーツにもつミリタリーウオッチの“キャンパー”や、スポーツウオッチというジャンルを確立し、爆発的セールスを記録した“アイアンマン”など、数多くの大ヒットロングセラーを生み出し続けている。
<ピックアップモデル/TIMEX>
アイアンマン フリックス100
世界で最も過酷なレースとされるトライアスロンのアイアンマンレース向けのスポーツウオッチとして、1986年に誕生した初代アイアンマン。その後99年にミレニアムやY2K期を背景に登場した“アイアンマン フリックス 100”の復刻モデルだ。
わずか73gほどの軽量を実現し、100ラップの計測機能や100mの防水性に加え、ランニング中などに腕を振ることで液晶が発光するフリックス機能も搭載。さらに、スポーツウオッチとしての機能だけでなく、8文字×3行のアルファベットや数字、記号を組み合わせたメモを最大10件まで保存できる機能も。これは、携帯端末でのメール送信が普及する前後の時代を反映した、当時としては先進的な機能であった。
アイコニックなデザインと充実の機能はそのままに、今回の復刻版はオリジナルカラーに加えてミリタリーテイストを感じさせるコヨーテカラーも展開。いずれもアウトドアシーンだけでなく、日常生活にもマッチするデザインなので、幅広いシーンで活用しそうだ。
【問い合わせ先】
ウエニ貿易
TEL.03-5815-3277
【手頃な価格帯の高コスパ時計が魅力!アメリカ時計ブランド②】
PRAESIDUS(プレジダス)
2024年9月に日本初上陸を果たしたばかりの注目の時計ブランド、プレジダス(PRAESIDUS)。1940年代のアメリカ軍用時計の伝統を受け継ぎ、現代のライフスタイルと調和した独自の時計コレクションを展開するブランドだ。卓越したクラフトマンシップと軍事遺産にインスパイアされたデザインには、歴史的な軍用時計の要素が取り入れられている。そのストーリーを次世代に伝える各モデルは、高品質な素材と職人技を駆使して製造され、日常のあらゆるシーンで活躍できる仕様だ。
<ピックアップモデル/PRAESIDUS>
A-11 Spec2
シンプルでありながら効率的な時刻計測ツールを提供するために、1942年にアメリカ軍によって開発されたフィールドウオッチ“A-11”のデザインとスペックを踏襲。そこに現代の精度と快適さを追求したアップデートを施している。
ミリタリーテイストあふれるブラック文字盤には、コブラ針と暗闇でも視認性の高いアラビア数字のルミナスインデックスが配されている。ミネラル製のドーム型風防もまた、往年の雰囲気を強めている。ムーヴメントには信頼性の高いセイコー子会社のTMI NH35自動巻きキャリバーを搭載。
機械式のミリタリーモデルにして5万円アンダーの価格というのも魅力的で、まさに高コスパ時計と言えるだろう。プレジダスには本モデル“A-11 Spec2”を含む6コレクションがあり、そのなかから14モデルが展開されているので、気になる方は合わせてチェックしてみてほしい。
【画像】日本で発売される“6コレクション14モデル”を一気見せ!
【問い合わせ先】
エイチエムエスウォッチストア 表参道
TEL.03-6438-9321
【手頃な価格帯の高コスパ時計が魅力!アメリカ時計ブランド③】
GARMIN(ガーミン)
スマートウオッチやウェラブルウオッチというカテゴリーで、アップルウォッチの次に売れているブランドとしても著名なガーミン(GARMIN)。約30年前に最先端の航空GPSナビゲーション製品をリリースしたのを皮切りに製品ラインを拡大し、航空、海洋、自動車、アウトドア、フィットネス市場におけるトップブランドに成長。仕事やスポーツ、アウトドアなど幅広いシーンで着用できるマルチスポーツGPSウオッチ“フェニックス”シリーズを中心に、腕時計市場でも年々存在感を強めている。
<ピックアップモデル/GARMIN>
フェニックス E
フラッグシップシリーズのフェニックスをより手に取りやすい価格にしたモデル。タフネス性能やスポーツ計測・分析機能は同様に、AMOLEDディスプレイを採用し、健康管理やスマート機能といったフェニックスシリーズの機能を凝縮している。
実に100種類以上のスポーツに対応する驚愕の機能のなかでも、特にユーザーに支持されているのはランニングに関する機能だ。見たい地図情報、地図画面をワンタッチで選択できるクイックマップレイヤー選択に加え、目標距離を指定するとランニングルートを自動作成し、ナビゲーションを開始。コースを外れてもルートが自動で調整されるため、見知らぬ土地でのランニングも安心できる。
位置情報やワークアウトなどをリアルタイム共有できるシェア機能や、スマートフォンと連携しユーザー同士の双方向メッセージなどができるコミュニケーション機能もアップデートされており、アナログ時計にはない充実の機能が楽しめる一作だ。サイズ・機能違いの多彩なバリエーションを展開している。
【問い合わせ先】
ガーミンジャパン
TEL.0570-049530
【手頃な価格帯の高コスパ時計が魅力!アメリカ時計ブランド④】
LUMINOX(ルミノックス)
アメリカ海軍の特殊部隊・ネイビーシールズやアメリカ空軍F-117 ナイトホークのパイロットから開発を要請されるなど、アメリカの国家機関に長年にわたりプロ仕様の本格ツールウオッチを提供してきたブランド。タフ仕様はもちろん、高い耐久性と軽量さ(チタン素材の約3分の1)を兼ね備えたを用いた独自素材のカーボノックス(炭素化合物が主成分)や、最長25年間発光し続ける自己発光システムのLLT(ルミノックス・ライト・テクノロジー)など、実用性を追求した高い技術力にも定評がある。
<ピックアップモデル/LUMINOX>
ネイビーシール ファウンデーション 3250シリーズ
陸上任務と砂漠任務を続けてきたネイビーシールズが、近年海上任務に戻りつつあることから、“Back To The Blue”と題しデザインを考案。海上任務への回帰を象徴するシャドウブルーをベースにブラック、ゴールドを組み合わせている。
存在感抜群の45mm径のステンレススチールケースには、ブルーのファイバーグラス製逆回転防止ベゼルが装備され、風防には無反射コーティングサファイアクリスタルガラスを採用。クリアな視認性と耐久性が確保されている。
スイス製のクォーツムーヴメント“Ronda 715”を搭載。200m防水性能に加え、自己発光システムのLLTで12時位置のインデックスやベゼル、針はイエローに、そのほかのインデックスはブルーに光る。ベルトには天然ラバー素材を使用するなど、随所のこだわりも光る一作だ。
【問い合わせ先】
Luminox TOKYO(ルミノックストウキョウ)
TEL.03-5774-4944
文◎市村信太郎(編集部)
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