フランス国防省が作成した航空士用航空フライバック・クロノグラフ“タイプ20”のサプライヤーとしての名を残す歴史的ブランド、AIRAIN(エイレン)。1950年代〜60年代にかけてフランス陸軍のヘリコプターのパイロット向けに時計を製作しており、数々の名作を世に送り出した。
当時、親会社にあたる時計製造会社・ドダーヌやブレゲらと肩を並べる名門であった同ブランドだが、クォーツショックの影響なども大きく70年代以降は休眠。2020年におよそ半世紀ぶりに復活を果たした。
タイプ20(復刻版)
オリジナルのデザインやスペックを踏襲し、2020年に登場したアップデートモデル。二つのインダイアルに大きなアラビック数字のインデックス、双方向回転ベゼルなど当時と同じディテールを備えており、本格派軍用時計の雰囲気を放っている。
スエード調のレザーベルトにドーム形風防でアンティーク感はたっぷり。サファイア風防内側には無反射コーティングが施されており、高い視認性を誇る。ムーヴメントにはセリタ社の高級ムーヴメント部門であるマニュファクチュール AMTによる、コラムホイール式の手巻き“Cal.AM2”を搭載している。
タイプ20(オリジナルモデル)
当時の製造数が少なく、入手困難な1960年代当時のエイレン・タイプ20。ムーヴメントには、バルジューのCal.22にフライバック機能を備えた希少性の高いCal.222を搭載。針やベゼルのデザインは一部異なるものの、復刻モデルの写真と見比べてみるとその再現度の高さが伝わるだろう。
近年の時計界の一大トレンドともなっている復刻モデル。オリジナルの意匠を引き継ぎつつ現代に甦ったその姿に、心を掴まされる時計ファンは多いことだろう。
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文◎市村信太郎(編集部)
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