アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
リップ
ノーティックスキー
本格的な潜水に対応する腕時計の歴史は、1953年、ロレックスのサブマリーナー、そしてブランパンのフィフティファゾムスの誕生によってはじまった。
その後、多くの時計メーカー、そしてパーツサプライヤーがこれに追随し、“ダイバーズウオッチ”という新たなジャンルが確立されていったのである。とりわけケースメーカーのEPSA社が開発した防水ケースは、優れた防水性能の有しており、それを大小様々な時計メーカーへと供給したことで、ダイバーズウオッチの数が飛躍的に増えていったのである。
今回紹介するのは、このEPSA社製の防水ケース“スーパーコンプレッサーケース”を採用し、フランスで初の200m防水を実現したリップのノーティックスキー(1967年)だ。
時刻操作のためのリューズと、もうひとつインナーベゼルを操作するのためリューズを備えた特徴的なケース、バータイプの夜光インデックスのなかにアラビア数字が入ったユニークな文字盤デザインなど、目を引く意匠も特筆だが、とりわけ電磁式と呼ばれるゼンマイの代わりに電池を使用して駆動する半機械式ムーヴメントを搭載しているという点も見逃せないだろう。
防水と電磁式ムーヴメントという当時の最先端技術が詰め込まれたモデルだ。
文◎LowBEAT編集部
画像◎プライベートアイズ