日本の伝統工芸を生かしたデザインには、他にはない日本らしさや美しさがある。リバイバルブームのなかで日本らしいデザインも人気を集めているデザインのひとつだ。
なかでも“漆(うるし)塗り”は、縄文時代から継承されてきたとされている日本古来の塗装技術で、透明感や光沢が強く、美しい見た目が特徴。今回は日本の伝統工芸“漆塗り”を取り入れた腕時計を紹介していきたい。
シチズン“カンパノラ” 宇宙を想起させる文字盤
“CITIZEN xC(カンパノラ)”から登場した限定モデル“宙顕(そらのあらわれ)”と“星顕(ほしのあらわれ)”は、手作業による漆塗り文字盤を採用している。
“宙顕(そらのあらわれ)”の文字盤は宇宙のはじまりである“ビッグバン”をイメージ。赤のクリアカラーが星雲、その奥に見える、黒漆に蒔かれた螺鈿や金属粉などが星雲の彼方に誕生した星たちを表現している。また、“星顕(ほしのあらわれ)”の文字盤は、黒漆に黒漆に螺鈿や金属粉を散りばめた上にグリーンのクリアカラーを重ね合わせ、星の誕生をモチーフにデザインした。
漆塗りにより奥行き感があるほか、透明感や艶が美しい。ブラックカラーが特徴の表面硬化技術“デュラテクト”を施したステンレスケースとの組み合わせが、デザインにより深みを感じさせる。
【画像】重ね合わせた色合いがなんとも美しい… 2モデルのデザイン詳細
次ページでは黒漆を使用したセイコーモデル、会津の伝統工芸士とのコラボレーションモデルを紹介する。