DEPANCEL(デパンセル)は、モータースポーツ愛好家のためのレーシングクロノグラフを製造する、フランス発、日本未上陸の独立系マイクロウオッチブランドである。 ブランド創設者のクレマン・メイニエは、自動車エンジニアリングのバックグラウンドを持ち、メカニックの美しさに魅了され、車と時計に情熱を注いでいきた。
スイスのジュネーブで時計製造の技術を学んだ後、クレマンは2018年にDepancelを立ち上げ、自身の夢を現実にした。
デパンセルのブランド名はフランス自動車メーカー、デラージュ、パナール、ファセル・ベガ、三つを組み合わせたもの。これらのメーカーは運転の喜びのために精巧な車両を製造しており、それぞれの哲学と創造的な自由から影響を受けている。 時計デザインにもこれらの哲学と創造的自由を取り入れるよう切磋琢磨している。
今回はフランスより、デパンセルのウォッチコレクションから二つの時計を紹介する。
DEPANCEL(デパンセル)
アリュール・オートマティック・クロノグラフ シルバー
最初に紹介する、アリュール・オートマティック・クロノグラフ シルバーは、レーストラックで自由と狂気が頂点に君臨していたモーターレースの黄金時代にインスパイアされたモデルだ。レーシングドライバーであることが純粋なアドレナリン、無限の自由、そして情熱の体験であった時代であった。
このモデルのデザインは過ぎ去った時代への生きたオマージュであり、ヴィンテージモーターレーシングの興奮と冒険を追体験させてくれる。
ブラッシュとポリッシュ、二つの仕上げを採用した316Lステンレススツールケースに、プッシュボタンは自動車のエンジンピストンにインスパイアされたデザイン、文字盤はブラッシュ仕上げのメタリックシルバーで、ポリッシュ仕上げと夜光塗料のインデックスが配されている。
文字盤中央部にはラジエーターグリルのような繊細なテクスチャーとなっており、文字盤の外側とカウンターには円形サテン仕上げとなっている。
ケースサイズは43mm、厚さ15mm、防水機能は100m防水を備えている、風防はサファイアクリスタル製で、スイスのセリタ社製自動巻きムーヴメント、Cal.SW510が搭載されている。フランスで組み立てられ、レザーベルトまたはメタルブレスレットから選択可能となっており、販売価格は2400米ドル(日本円で約35万円)。
【画像】スピードメーターを思わせるサブダイアルも注目、文字盤を拡大して見る
DEPANCEL(デパンセル)
アリュール・バルジュー92・デパンセル
次に紹介するのは、アリュール・バルジュー92・デパンセルは、WEBメディア・Worn & Woundとの限定コラボモデル。デパンセルはこのモデルで伝説的なスイス製クロノグラフ・ムーヴメント、バルジュー92の再生に挑んだ。
このムーブメントは1950年代から60年代にかけてスイスで製造されたムーヴメントであり、1:ムーブメントの分解と各部品の洗浄、2:ブリッジの再装飾と再組み立て、 3:ムーブメントの封入、注油、調整。上記の工程を経て復元されている。
文字盤デザインはラグジュアリーかつスポーティーで、文字盤中央のパルスメーター目盛りを使い、クロノ秒針の尾端から心拍を読み取ることができる。文字盤のメインカラーにミントを選んだ理由は、アメリカン・クラシックカーの色にインスパイアされたそうで、ブラッシュ仕上げのケースと絶妙に調和している。
ケースサイズは39mm、厚さは13mm、防水機能は 50m防水を備えている、風防はサファイアクリスタル製で、ムーヴメントは手巻きクロノグラフムーヴメント、バルジュー92を搭載。 フランスで組み立てられ、ブラックのレザーベルト付き。限定20本で、販売価格は3900米ドル(日本円で約56万8000円)。
【画像】ヴィンテージ感を醸す文字盤がかっこいい、文字盤を拡大して見る
》DEPANCEL(デパンセル)
公式サイト
https://depancel.com/en-int
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/