芸能人の愛用時計

保阪 尚希 -男の肖像時計の選択(パワーウオッチVol.34)

左からショパール ミッレミリア、オメガ シーマスタークォーツ(レアなスクエアケース)、IWC GSTクロノ。時計好きならではの渋いセレクション

 

保阪さんがカメラ、レース、釣りなど多趣味であることは非常に有名だ。それだけに時計にもやはり一家言あるのかと思いきや、あまりこだわりはないのだという。

「クルマにしてもポルシェを356から993まで全部集めたりしましたけど、執着はしませんし物欲もそれほど強くないんですよ」

とはいえ、やはり膨大な時計コレクションを今でも所有している。今回持ってきていただいた3本は「自宅にあるのを適当に持ってきただけ」と言うが、いずれもちょっと通好みな逸品だ。


(ニューヨーク・ダイヤモンドアベニューの)時計職人と知り合いになったんですよ。
そのオヤジに『1本くらいはいい時計を持っておけ』って言われて---

「IWCは気に入ってるブランドです。フルチタンのデザインと機能面での面白さが好きですね。ショパールのミッレミリアも割と好きな時計で、アニバーサリー違いを6本持ってます。オメガはニューヨークに住んでいた19歳のときに買ったものなんです。時計の修理工房がずらっと並んでいるダイヤモンドアベニューって地区があるんですが、そこの時計職人と知り合いになったんですよ。そのオヤジに『1本くらいはいい時計を持っておけ』って言われて、100ドルで分けてもらった初めての高級時計なんです。当時はGパンにTシャツみたいな格好ばかりだったから、こういうデザインの時計が似合うわけもなかったんだけど(笑)。もう使うことはないけど、なんとなく手放せないで持ってますね」


ロレックスも一時期かなり集めていて、猫足からデイトナまで全部買ってました。
珍しいモデルになるとわざわざ海外まで買いに行ってましたね。

時計に限らず機械もの全般に惹かれたのは、スーパーカーやロボットアニメから入った世代ゆえだろう。メカとしての魅力に加えてファッション性もあるからつい凝ってしまったのだと笑う。

「ロレックスも一時期かなり集めていて、猫足からデイトナまで全部買ってました。珍しいモデルになるとわざわざ海外まで買いに行ってましたね。ロンドンの蚤の市、ベトナムのマーケット……どこでも行きましたよ。初めて買ったのはエクスプローラー・で、23歳でバハマに行ったときでした。バハマはリゾートだから高級品ばかり売れるんですよ。ロレックスショップで、唯一当時の自分が買える時計がエクスプローラー・だった(笑)。一時期は何百本も持ってましたけど、それも今はほとんど人にあげちゃって残ってないです」

こだわりはあるが執着はしないのが、かっこいい男の流儀といえるのかもしれない。

 

保阪 尚希 俳優)
NAOKI HOSAKA 1967年12月11日、静岡県生まれ。俳優として映画『極道の妻たち 情炎』『蒼き狼地果て海尽きるまで』などのほか、TVドラマ、バラエティ番組、ミュージカルなど出演多数。さらにカメラ、レース、釣りなど多趣味なことでも知られる。真言六字密教総本山六水院で得度を行い、僧侶となったことも大きな話題となった。

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