夫人から贈られたというブルガリ ブルガリ。気品ある雰囲気が遠藤さんのキャラクターに似合っている
その場に立っているだけで映像をぐっと引き締める強烈な個性。そのたたずまいが高く評価され、今や映画やドラマには欠かせない存在となった遠藤さん。プライベートではほとんど時計は身に着けないそうだが、ご持参いただいた愛用時計はちょっとこだわりを感じさせるブルガリ ブルガリだった。 「でも、これも特にこだわってるわけではないんです。あまりに時計をしないもんだから、“たまには時計くらいしなさい”って女房にプレゼントされた時計なんですよ。貰ったのは去年の誕生月だから、まだ手に入れて1年経ってないですね。本当に全然しないから詳しくもないんだけど、このブルガリは文字盤とベゼルの雰囲気が何となく気に入っています。これの前は哀川翔さんに貰った時計を使ってました。翔さんがプロデュースした天賞堂のオリジナルウオッチで、舞台をご一緒したときにいただいたんです。ふだんはもっぱらケータイで時間をチェックしてます。仕事中はスタッフや監督の指示に従うわけだから、時間ってあまり気にしないんですよ。せいぜい食事の時間とか、いまの撮影状況が押してるのかとかといったことをチェックするくらいですね」
洋服にはそれなりにこだわっているが、時計やアクセサリーにはまったく頓着がないようだ。しかし時間にはかなり几帳面なほうだという。仕事柄、遅刻は絶対に禁物であり、ふだんから約束の時刻に遅れることはないように気を付けている。
「日常で最も時計を意識するのは、朝起きたときの目覚まし時計かな。大体起きる予定の30分前にセットして、何度も何度も鳴らしながらやっと起きるっていう(笑)。そこからシャワー浴びて食事してってやってると、どんどん時間も経っていっちゃうわけですが、せわしないのは嫌いなんで、できるだけ余裕を持って行動できるようにとは気を付けていますね」
プライベートではこだわりがないが、役柄を演じるときは時計は非常に重要な小道具だととらえているという。特に遠藤さんの場合、普通のサラリーマンから刑事やアウトローまで、役柄の振り幅が非常に広いこともあって、キャラ作りのうえで時計などの小道具は非常に重要なのだ。 「最近はタイアップもあるし、女性の小道具さんだとかなりオシャレな時計を用意してくれることが多いです。だいたい数種類持ってきてくれて、そこから選んでいくんですが、なかには高価なものも混ざっていて、びっくりすることもありますね。キャラクターに合っているかというのが重要なんですが、たまに意外な時計を使ってみることもあります。 例えば最近まで放映していた『日曜劇場・特上カバチ!!』だと、自分の役はアクが強くて衣装もちょっと強烈なんですが、時計はあえてちょっとオシャレなのを使っています。あと劇中の時刻と表示されている時刻が合ってるかっていうのも、実は結構気にしていたりしますね。『不毛地帯』の撮影中にも自分の腕時計が映り込むシーンがあって、その時刻が壁の時計と全然合ってなかったり(笑)。延々と長い芝居したのに、NG出してやり直させてもらいました。無頓着な人はまったく気づかないだろうけど、芝居の細かい部分は気になり出すとどうしてもダメですね」
KENICHI ENDOH 1961年6月28日、東京都生まれ。劇団フジなどに所属して俳優活動をスタート。1983年のNHK『壬生の恋歌』でドラマデビューを果たすも、その後は長い下積み時代を過ごす。しかし独特のキャラクターが評価され、徐々に活躍のフィールドも増えていき、近年はドラマや映画、ナレーションで引っ張りだことなっている。抜群の存在感で特に悪役としての高い評価を得ており、2009年にはドラマ『湯けむりスナイパー』で初の連ドラ主演を果たした。