海外ブランドとは異なる進化を続けてきた日本の時計ブランド。近年は、シチズン、オリエントなど、ムーヴメントを自社で手がけていた日本の大手時計メーカーがハイエンド機から、手頃な価格の汎用機まで、幅広い価格帯で国産の機械式モデルがラインナップを増やしているが、こうした傾向は機械式時計を展開する新興国産ブランドの創設にも大きな影響を与えた。
セイコーのTMIやシチズングループに属するMIYOTAは汎用機械式ムーヴメントを外部に供給しており、ムーヴメントの供給を受け、独自に機械式時計を展開する新興の“マイクロブランド”も数を増やしているのだ。
マイクロブランドとは数百個単位で商品を製造し、BtoC(企業が直接ユーザーにプロダクトを提供)で商品を販売する小規模の時計ブランドを指す。なかには休眠状態に近いブランドもある点は留意しておきたいが、アウトライン、クオのように継続的に新作を発売しているブランドもあり、こうしたブランドは知見を積み重ねて、時計好きのツボを心得た魅力的なモデルを展開している。
【マイクロブランドの魅力とは?】
魅力1:ユニークなコンセプト
小規模だからこそオーナーやデザイナーの作りたい時計をダイレクトに製造できるのも特徴。天然石などの特殊な素材を使用したモデルや、時計愛好家の間でコレクターズモデルとして知られる名作をオマージュしたデザインなど、大手ブランドがあまり採用しないコンセプトやデザインを楽しめる。
魅力2:少量生産によるレア感
限定された数量を製造しているため人気モデルはすぐに売り切れてしまうが、この流通量の少なさが逆にプレミアム性を高める役割も果たしている。周りにはまだ着けている人はいないけれど、時計好きなら魅力と価値がわかる。思わず人に教えたくなる“レア感”は、マイクロブランドならではの魅力だ
魅力3:コストパフォーマンス
マイクロブランドの多くは、まず自社のオンラインショップでの直販を主軸にしたビジネスモデルを採用していることが多い。中間業者をなるべく挟むことなく事業コストの削減を実現しているため、低価格でありながら高品質な時計をラインナップしているのが大きな魅力である。
ここ数年で新興のマイクロブランドが数を増やしている日本の時計界。今後の動向も含めてぜひ国産マイクロブランドをチェックしておきたい。
【画像】京都発の“KUOE(クオ)ほか、注目の国産マイクロブランドをもっと見る
文◎Watch LIFE NEWS編集部
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