連日、全国的な猛暑が続くが、この時期になるととりわけフォーカスされるのが、優れた防水性能を備えるダイバーズウオッチだ。
本格的なものであれば海やプールに着用したまま入ることもできるし、普段使いで汗だくになっても問題ないなど、実際、暑い季節に着けるには非常に使い勝手がいい。
そんなダイバーズウオッチも黎明期である1950年代は、開発に非常に高い技術を要し、限られた一部の時計メーカーしか製造できなかった。ただその後、技術の進化に伴って一気に普及するのだが、今日では時計メーカーの大半がコレクションに加えるほどの“定番”ジャンルになっている。
もっとも、ダイバーズウオッチがここまで人気を集めたのは、“優れた実用性”に加えて、機能性を追求した“精悍な意匠”という点も大きい。男心をくすぐるツール感満載のデザインに引かれてダイバーズウオッチを選ぶ、という人はいまもってかなり多いだろう。
そこで今回は、現代のモデルにも大きな影響を与えた、往年のダイバーズウオッチを紹介する。
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ロレックス
サブマリーナー
傑作ダイバーズウオッチの筆頭に挙がるのはこのロレックス・サブマリーナーをおいてほかにない。今日のダイバーズウオッチの基本形にして、その代名詞とまでいわしめる誰もが認める存在だからだ。 1953年に誕生したサブマリーナーは、歴代モデルを遡るとレファレンスナンバーの種類が多く、その数はロレックスのプロフェッショナルシリーズのなかでも群を抜く。言い換えると、ロレックスでさえもダイバーズウオッチの開発は難しかったとみえて、何度もマイナーチェンジを繰り返したということだ。つまり今日あるサブマリーナーはそんな試行錯誤の末に完成した技術力の結晶とも言えるのである。
ここで取り上げているのは、1960年代になって登場した第3世代にあたるRef.5513。自動巻きの1500系キャリバーを搭載し、200mの防水性を備えた。優れた防水性能に加え、潜水時間を計測するための目盛り付き回転ベゼルを備えた、そのスタイリングも、ダイバーズウオッチの王道として定着している。
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文◎堀内大輔(編集部)