何かとイベントが増える夏本番を前に、デイリーユースの即戦力として活躍してくれるのが実用性を重視して作られた“ツールウオッチ”。今回は “ダイバーズウオッチ”と “ミリタリーウオッチ”の2大ジャンルに注目して、編集部のスタッフがおすすめのモデルを厳選。それぞれ魅力を解説しつつ紹介していく。
時計を紹介する前に、まずは“ツールウオッチ”とは何か、について簡単に触れていこう。ざっくり言うと、“ツールウオッチ”とは“ツール(道具)”という名称が意味するように、なにか特定の作業を行うために “道具”として開発された背景をもつ時計を指す。今回クローズアップする潜水用に開発されたダイバーズウオッチ、軍用に開発されたミリタリーウオッチ、そしてミリタリーの派生系と言えるフィールドウオッチ、パイロットウオッチなども“ツールウオッチ”に当てはまる。
“ツールウオッチ”とひとくくりにしてもジャンルごとに機能やデザインは様々なのだが、共通する魅力と言えるのが、実用性の高さだ。装飾品ではなく、あくまでも道具としての機能性を追求して開発されたバックボーンがあるため、正確に情報を読み取ることができる“視認性”や、ラフな使用に耐える“高耐久”などの共通点を見出せる。
今回は、10万台までの価格帯から機能性とデザインを両立した6モデルをセレクトしてみた。
【ダイバーズウオッチの魅力と購入の注意点】
プロ仕様のダイバーズウオッチについては、JIS(日本産業規格)で“JIS B 7023”、ISO(国際標準化機構)で“ISO 6425”として厳格な規定が設けているが、一般的には潜水時間を管理する逆回転防止ベゼルを装備し、200m防水を備えた時計を指す。
魅力1:防水性
ダイバーズウオッチは水中で実際に使用できるように設計されている。200m防水以上のスペックを持つ本格ダイバーズウオッチの多くは、日常生活で遭遇する水の危険程度ではその信頼性はビクともしない。
魅力2:見やすいデザイン
ダイバーズウオッチは地上よりも視認性が悪い水中でもしっかりと時間を目視できるようにデザインされている。夜光を塗布することで暗所でも視認性が損なわれることがなく、もちろん明るい場所でも抜群に視認性が高い。
》ダイバーズウオッチ選びの注意点
防水性能を高めるためにはケースの機密性と水圧に耐える強度が必要。近年はパーツの加工精度が高まったこともあって小型化、薄型化も進んでいるが、それでもサイズが大きめのモデルが多い。手首に着けた際のバランスや装着感は、しっかり実機で確認しておきたい。
【編集部おすすめダイバーズウオッチ】
Nodus(ノダス)
セクターディープ
アメリカ・ロサンゼルスを拠点とする独立系マイクロウオッチブランド、ノダス・ウォッチが展開する本格ダイバーズウオッチ。ブラスト加工を施した38mm幅のステンレススチールケースに 、ブラックDLC加工を施したスチール製回転ベゼル(42mm幅)を備え、ダイビンググローブを着用したままでも優れたグリップ力を発揮することが可能だ。ケースバックとサファイアクリスタル風防の厚みを既存モデルの2倍以上にすることにより、500mに達する防水性を実現している。リューズが手首に当たらないよう、レフトハンド仕様にデザインされており、テーパーブレスレットを組み合わせることで快適な装着感を実現している。優れた機能性を備えつつ、10万円を切る価格である点も大きな魅力だ。
【問い合わせ先】
エイチエムエスウォッチストア 表参道
TEL.03-6438-9321
【画像】予算10万円台まで、おすすめダイバーズウオッチをさらに見る
【ミリタリーウオッチの魅力と購入の注意点】
厳密には“軍隊が制式に採用し公式に使用する時計”、または“軍隊によってオーダーされた時計”だが、一般的には、そうした実際の軍用時計をルーツとして新たに製作されたモデルや、軍用時計のデザインを取り入れたモデルを含めて“ミリタリーウオッチ”とすることが多い。
魅力1:機能的で洗練されたデザイン
戦場での使用を想定したミリタリーウオッチは、ぱっと見て瞬時に時刻が認識できる視認性の高さが求められる。はっきりした大きめのインデックスが採用され、文字盤とのコントラストも高くなっている。機能性を追求するうちに見た目は徐々に洗練されていき、結果的に、シンプルでバランスのとれたデザインとなっている。
魅力2:男心をくすぐるバックボーン
ミリタリーウオッチは、その背景に実際に戦地で使われて発展した歴史をもつ。現行で流通しているのは、あくまでも軍用時計をモチーフにしたモデル、インスパイアされたモデルがほとんどではあるが、それでも過去に戦場をくぐり抜けたオリジナルを土台にしているため、普通の実用時計とは違う凄みを感じさせる。復刻モデルの場合は実際のオリジンが存在するため、特におすすめだ。
》ミリタリーウオッチ選びの注意点
極限の環境と言える戦場で使われることを想定した時計、という背景から全方位的にスペックが高い印象だが、一般的に防水性はそこまで高くない。陸上での使用を想定したモデルは日常生活強化防水(5気圧)程度のスペックであることも多いので、もし水を気にせずにガシガシ使いたいならば、100m防水以上のモデルを選ぶようにしたい。
【編集部おすすめミリタリーウオッチ】
HAMILTON(ハミルトン)
カーキフィールド メカ
1960年代のベトナム戦争期に当時のミルスペックMIL-W-3818Bの仕様に基づき製造され、ベトナム戦争以降、米軍で広く採用された軍用時計の復刻版。本作は2024年の新作として発売されたモデルで、マットな質感のステンレススチールケースにブルーの文字盤、ブルーのNATOベルトを組み合わせたデザインが特徴。程よいサイズの艶消しステンレスケースにシンプルな3針表示ダイアルを合わせ、非常に視認性の良いデザインに仕上げられている。ムーヴメントは80時間のパワーリザーブを備えた”H-50”ムーヴメントを搭載。ミリタリーウオッチ好きはもちろん、デイリーユースの実用時計を探している人におすすめしたい汎用性の高いモデルに仕上げられている。
【問い合わせ先】
ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン
TEL.03-6254-7371
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文◎Watch LIFE NEWS編集部
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