Sphaera Watch Co.(スパエラ・ウォッチ)は時計愛好家のマーティン・エブナー、ダニエル・デーク、ミヒャエル・ユグの3人によって2023年に立ち上げられた日本未上陸のマイクロウオッチブランドである。オーストリア中北部の都市、ザルツブルクを拠点に創業者同士が時計と冒険への情熱でつながった。
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スパエラの発想は、オーストリア・ザルツブルクの豊かな文化とダイナミックな環境に由来している。 ブランド名“スパエラ”はラテン語で“球体”を意味し、時計デザインの原則は“形は機能に従う”という、近代工業デザインの原則に基づいて、時代を超越した建築と工業デザインへの賞賛を表現したウオッチコレクションを展開している。
スパエラの時計は、ザルツブルクの山中にあるアトリエでデザインされており、23年4月に行われたクラウドファンディング・キャンペーンの成功後、機械設備に投資し、ムーヴメント以外の時計の部品のほとんどについて、自社生産が可能となった。 これにより資源や原材料、エネルギー排出量を抑えた、最高品質の時計作りに専念できるようになったそうだ。
なお、ムーブメントはスイスのサプライヤーと密接に協力し、ブランドの仕様要件に従って製造され、仕上げと組み立てはスパエラのアトリエで行われている。彼らの時計は高い品質要求を満たすために生産が限定され、年間生産数が約300本となっている。
今回はスパエラのエポック・コレクションから二つの時計を紹介する。
エポック・クラシック・ラスティ
2022年、スパエラは最初のプロトタイプを製作したのだが、過酷な条件下でテストしところ化学反応が起こり、時計のネジに錆が発生した。彼らはこのプロトタイプに生じた錆の外観が気に入り、安全な方法でこの外観を再現することを模索し始める。
そして誕生したのがファーストモデルである“エポック・クラシック・ラスティ”だ。スパエラの始まりと、工業化時代の数々の技術革新に敬意を表してたモデルとなっている。
エポック・クラシック・ラスティには独特のラフなサンドブラスト仕上げを施したスレートグレーの文字盤が採用されている。 文字盤デザインは個性的なフォントと弾丸のようなフォルムのインデックスが特徴で、ブロンズカラーでスーパールミノバ C3X1 が塗布された剣形の針が、落ち着いたバニラの色合いで輝きを放つ。
ケースサイズは 40.5mm で厚さ12.5mm。サンドブラスト仕上げの316Lステンレススチール製で、ムーヴメントは自社改良した Cal.STP1-21を搭載。ねじ込み式ベゼル、ARコーティングを施したドーム形サファイアクリスタル風防、大型のねじ込み式リューズにより200m防水とを備えている。ハンドメイドのワックスドレザーベルト付きで、販売価格は1550ユーロ(日本円で約26万2000円)。
エポック・スポーツ・モノクローム
次に紹介する、“エポック・スポーツ・モノクローム”は、スパエラのデザイン言語の根幹を失うことなく、クラウンガードがあるケースでも、すっきりとしたフォルムとなっている。ベルベット・ブラックのサンドイッチ文字盤、ネジが見えるブラッシュ仕上げのベゼルと相まって、全体的にモダンでスポーティな雰囲気を醸し出している。剣形フォルムの針にはスーパールミノバ BWG9 が使用され、鮮やかなブルーの輝きを放つ。
サンドブラスト仕上げ316Lステンレススチールケースはサイズが40.5mm、厚さ12mm 。ムーヴメントは自社改良したCal. STP1-21 を搭載。ベゼルはねじ込み式で、ARコーティングを施したドーム形サファイアクリスタル風防を設置。大型のねじ込み式リューズにより200m防水を備えている。
エポック・スポーツ・モノクロームには、コーシュコアブラックのヒルシュ・ハイブリッドベルト付きで、販売価格は1550ユーロ(日本円で約26万2000円)だ。
》Sphaera Watches(スパエラ・ウォッチ)
公式サイト
https://www.sphaerawatchco.com/
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/