多くの時計メーカーが斬新な腕時計の開発に力を注ぎ、独創性に満ちた数々のモデルを世に生み出した1970年代。その時代を象徴するレトロフューチャースタイルを現代に表現したいという想いで創られたのが、日本発の時計ブランド、FUTURE FUNK(フューチャーファンク)だ。
同ブランドは2018年に70年代に開発されたローラー型デジタル時計にオマージュを捧げる“FF101”でデビューを果たし、それ以降もアイコンであるローラー式時刻表示機構を軸にしたユニークな時計を展開。マニア心をくすぐる多彩でユニークなコレクションで時計好きから支持を集めてきた。
今回、注目したのは、そんなフューチャーファンクの新機軸といえるモデル。これまでのローラー式時刻表示機構ではなく、古典機構のひとつである“レトログラード”を採用しているのが最大の特徴だ。
AKF301シリーズ
機械式時計の古典機構のひとつ、レトログラードを取り入れた新コレクション。文字盤にレトログラード式の時刻表示を大胆に取り入れたデザインが、クラシックでありつつ、遊び心と個性を主張している。シルバーとイエローゴールドカラー、二つのモデルがラインナップされている。
【画像】ゴールドとシルバーの2色展開、デザインの違いをもっと見る
【存在感抜群、“レトログラード”とは!?】
レトログラードは、フランス語で “逆行”を意味する時計の古典機構のひとつ。諸説あるが、17世紀後半にはレトログラード表示を備えた懐中時計が登場していたとも言われる歴史の古い機構であり、90年代にはジェラルド・ジェンタやフランスの独立時計師ダニエル・ロートなどが、レトログラード機構を採用した腕時計をリリースしている。
最大の魅力となっているのが針の動きだ。一般的な時計とは違って、時針と分針が弧を描いて時刻を表すのが最大の特徴。扇状の目盛を反復運動するように運針し、一定の位置まで運針するとバネの力で元の位置まで一瞬で戻り、再び進み始める。
時針と分針が弧を描いて時刻を表す独特な動きはもちろん、上から下に動いてきた針が一瞬で最初の位置に戻る瞬間の動きが、ほかの機構にはない魅力となっているのだ。
【懐中時計を思わせるケースデザイン】
ケースサイズは直径43mm、ラグの先端までの上下幅で約50mm、厚さ11mm。あえて少し大きめのサイズに仕立てて、文字盤半分を目盛で埋めることで、レトログラード機構の個性的な針の動きを強調している。
デザイン面で注目したいのが、15分刻みの赤くマーキングされたアラビア数字と、時分針の付け根を軸にした放射状の装飾だろう。文字盤にアクセントを加えつつ、視認性を高める効果を発揮している。インパクト抜群で個性的なデザインだが、時間を分をそれぞれアラビア数字で表示しているので思いのほか時間が見やすい。直感的に時間を把握できるのもポイントと言えるだろう。
懐中時計の時代から製造されていた古典機構レトログラードの雰囲気に合わせて、ワイヤーラグ(ワイヤー状の金属を取り付けてストラップを通す古典的なラグのデザイン)を思わせるデザインを採用したのもこだわりのポイントだ。ちなみに、ワイヤーラグ風のデザインだが、実際は実は左右のラグは繋がっておらず、バネ棒によってベルトを固定する仕様。工具なしでベルトを簡単に交換できるクイックリリース式なので、気軽にベルトの交換を楽しめる。
一般的に、クォーツの時計は機械式時計よりもトルク(動力)が小さいため、大きな針、不可のかかる運針を実現することが難しいとされているが、このモデルは独⾃にチューンナップとサイジングを施したムーヴメントを搭載することで、手頃な価格と実用性を両立。機械式時計の古典機構レトログラードの雰囲気を、1万円台で楽しむことができる。大人も違和感なく着けられて、なおかつ少し個性的な実用時計を探しているという人は、実機で針の動きや装着感をチェックしてみてはいかがだろうか。
【問い合わせ先】
木村商店
TEL.03-6416-0760
文◎Watch LIFE NEWS編集部
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