小スライド 編集部セレクション 連載記事 @kikuchiのいまどきの時計考

【レトロなミリタリー調が4万円台から】ハミルトンほか、数少ない手頃な手巻き腕時計3選

機械式腕時計とは端的に言うと動力源にゼンマイを使うタイプの時計である。そしてこれには自動巻き式と手巻き式の2種類が存在する。

定期的にゼンマイを手で巻く必要がある手巻き式に対して自動巻式は、手首に着けてさえいれば腕の振りなどによってローターと呼ばれる半円形の重りが回転して、勝手にゼンマイを巻いてくれる。そのため現在市販されている腕時計の大多数は便利な自動巻き式だ。

しかし、なかには“ゼンマイを手で巻き上げる”という「めんどう」な操作をあえて「楽しみ」として捉える好事家もいる。ゼンマイを手で巻き上げる際に出る「カリカリ」という小さな音。そして、手で巻いてあげるというひと手間をかけることで逆に愛着が湧いてくるという。つまりこれをルーティンとして楽しんでいるというわけだ。

ゼンマイを手で巻き上げる際に出る「カリカリ」という小さな音に加えて、ひと手間をかけることで逆に愛着も湧いてくる

今回編集部では、そんな手巻き式腕時計について、現在どんなモデルがあるのかを探してみたところ、その大半は高級時計ブランドか、あるいは50年代以前のアンティーク時計となってしまい、手軽な予算で楽しめる手巻きモデルとなると残念ながら数えるほどしないということにあらためて驚かされた。

そんななかで編集部が見つけた10万円アンダーの予算でも狙える3モデルをピックアップ。偶然にも3モデルともミリタリー系デザインとなったが、歴史的にみても手巻き式がいちばんシックリくる、そんなところも魅力に感じる。

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ヘメル|HF22 エアディフェンス パンダ

2016年にニューヨークで誕生したヘメル。ファッションデザイナーとしてキャリアを重ねていたマーヴィン・メンケによって創設されたブランドで、オランダにルーツをもつ自身のバックグランドから、ブランド名は “空”を意味するオランダ語だ。

HF22 エアディフェンスは2023年にリリースされた新作の手巻きクロノグラフ。ムーヴメントには1940年に開発された手巻きクロノグラフムーヴメントの名機、Cal.175の設計を忠実に継承するCal.ST19を採用。シースルーバックからはのその細かなメカニズムが堪能できる。

HF22IV エアディフェンス パンダ。SS(40mm径)。10気圧防水。手巻き(Cal.ST19)。8万8000円

[ヘメル日本公式サイト]
https://hemeljapan.com

>>>次ページで「ハミルトン」と「アウトライン」の手巻きを紹介

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