腕時計に採用される針のデザイン。実に多くの種類が存在し、文字盤のデザインにも大きな影響を与える大切なディテールだ。時刻を指し示す針には自ずと視線が集まり、時計の視認性にも深く関わるため、こだわりをもって選びたいポイントでもある。そこで改めて、腕時計の針にどんな形状のものがあるのか代表的なものを例に挙げ、それぞれのデザインの特徴について紹介する。
<主な針のデザインの種類>
●バー針
先端が尖っていない棒状の針。オーソドックスな針なので、多くの時計で採用されている。夜光塗料が載せやすいことも魅力で、飽きのこない普遍的なデザインといえるだろう。
●ペンシル針
その名のとおり、鉛筆のような形をしているタイプ。バー針と同様にスポーツ、ドレスなどのタイプを問わず多くの時計で見られる。夜光塗料が塗布されていることが多い。
●バトン針
筒や棒のように見えることから名付けられた。棒状でかつ先端が尖っていて、中央部分から先端に向かって徐々に太くなるのが特徴だ。
●リーフ針
葉っぱのように中央部がふっくらと膨らんだタイプ。クラシカルなデザインとの相性が良く、全体的に洗練された印象を与えてくれる。高級ブランドが手がける複雑時計や、ドレスウオッチに比較的多く採用される。
●コブラ針
時針の先端の形状が、コブラの頭部に似ていることから命名。パイロットウオッチや1930〜40年代のアンティークウオッチにしばしば見られるデザイン。
●ドルフィン針(ドーフィン針・ドフィーヌ針)
針の軸は太いが、先になるにつれて細く尖っていく形状。シャープなデザインで、復古調デザインが凝らされた高級ドレス系に多く見受けられる。
●アルファ針
ドルフィン針とよく似ているが、こちらは付け根の部分も絞られているのが特徴。スタイリッシュな菱形ラインが高級感を醸し出す。
●ルイ15世針
かつての懐中時計に用いられていた、繊細な彫刻を施した“ルイ15世針”。現代の時計では滅多にお目にかかれない形状がマニア心をくすぐる。
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ここで紹介した針は一部であり、ほかにも菱形や剣型と呼ばれる珍しいタイプも存在する。デザイン性の追求だけでなく、夜光塗料を塗布する目的でその形状に至ったものもあり、それぞれの針が誕生した経緯も様々だ。針の形状で腕時計の印象も大きく変わるため、好みのデザインを探してみるのもいいだろう。
文◎Watch LIFE NEWS編集部
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