今回は先日久しぶりに実機を拝見した2023年新作の話題作、オイスターパーペチュアル41(以降オイパペ)のセレブレーションをお届けする。
まず、このセレブレーションとはどのようなモデルなのかおさらいすると、
「“セレブレーション”と名付けられたこの新しいモチーフは、オイスターパーペチュアル31、オイスターパーペチュアル36、オイスターパーペチュアル41 で展開されます。黒い縁取りのさまざまなサイズのドットにはキャンディピンク、ターコイズブルー、イエロー、コーラルレッド、グリーンの2020 年に発表されたラッカーダイアルのビビットなカラーが用いられています」(公式資料より引用)
つまり、一時600万円台と定価の8倍まで爆騰。高級腕時計のカラーダイアルブームを加速させたオイパペのターコイズブルーをベースに、同時にラインナップしていたほかのビビッドなカラー4色をドットで表現したデザインというわけだ。そのためバルーンやバブルといった愛称で呼ばれている。
実機を見たのは今回が2度目。まぁ、我々はこのような個性的なものを形容する場合に“遊び心のあるデザイン”という表現でよくまとめてしまうが、もはやそれをとおり越して、筆者の美意識レベルではちょっと理解に苦しむぐらいというのが正直なところだ。
ただ、かなり子供っぽいモチーフだが、これだけの数のカラーを同じ文字盤上で、しかもしっかりと個々に発色のある鮮やかな色味を再現している点はさすがだ。しかも2枚目の写真を見るとわかるが表面がとてもフラットなのである。
高級時計専門誌「Chronos」編集長の広田雅将氏は同誌のウェブサイトにメーカーの話として、これは「転写」によるものだと書いている。しかも転写でこの発色と薄さを両立していると注目する。加えて最後に「この文字盤が、今のロレックスにしか作り得ないものであることは、容易に想像できる」とも。
好き嫌いだけで言えば筆者的にはあまり受け入れられるものではないが、広田氏が言うように、このモチーフは、ロレックスの新技術をお披露目するための手段だとすれば、これほどわかりやすい表現はないのかもしれない。
今回取り上げたのは41mmのRef.124300。国内定価は91万8500円で並行輸入品の新品実勢価格は300万円台前半といったところ。ワンサイズ小さい36mmは290万円台。
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