家族や友人、恋人やパートナーといった身近な人と腕時計を揃えて楽しむ“ペアウオッチ”。ひとつの時計を複数人で共有して楽しむシェアウオッチなどとともに、近年注目されている時計の楽しみ方なのだが、実際のところ魅力をよくわかっていない方も少なくないのではないだろうか。
共通の時計というアイテムを通じて、大切な人との繋がりを感じられるペアウオッチ。ひと口にペアウオッチといっても、ただ同じ時計を着けるだけではなく、その選び方・楽しみ方は非常に幅広い。アップルウォッチなどのスマートウオッチの機種を揃えて、それぞれ違うベルトに付け換えるのもペアウオッチ的な楽しみ方のひとつに該当するだろう。
そこでこの記事では、アナログ式腕時計においてのペアウオッチをテーマにその魅力をクローズアップ。四つの視点から選び方を紹介していく。
【画像】絶妙なデザインの違いに注目!おすすめのペアウオッチを見比べる
【ペアウオッチの選び方①】同じモデルのサイズ違いで揃える

1960年代末頃に発売されたグランドセイコー“45GS”シリーズのサイズ違いモデル/写真◎加藤峰暁
同じモデルのサイズ違いは、もっとも基本的とも言えるペアウオッチの選び方だろう。ひと目でペアウオッチと認識できるわかりやすさが一番の魅力で、手首の大きさが異なる男女のペアウオッチ選びに最適だ。注意点としては、同じモデルのサイズ違いを展開しているブランドはそれほど多くないということ。サイズ違いがない場合は、まったく同じモデルでベルトを付け換えて楽しむのも良いだろう。
ちなみに、写真のグランドセイコー“45GS”は往年のオリジナルだが、2024年秋に同モデルの復刻モデルが2種発売されており、話題を集めた(※ステンレススチールモデルはすでに販売終了となっている)。
【画像】歴代で最も忠実に再現!?往年の“45GS”復刻モデル2種
【ペアウオッチの選び方②】同じコレクションのカラー違いで揃える

ベーリング“スカンジナビアン ソーラー”シリーズのケースカラー違いモデル
こちらはサイズ違いに加え、カラーも異なるという点がポイント。同じコレクションのカラーバリエーションを選択するのもペアウオッチの基本的な楽しみ方のひとつだろう。
さらに写真のモデル、ベーリングの“スカンジナビアン ソーラー”ではケースにメッキ処理が施されており、まるでローズゴールド風のルックスとなっている。わかりやすい文字盤カラーの違いに対して、さりげない違いを演出できるケースカラーの違いもまた魅力的だ。
【問い合わせ先】
マーサインターナショナル
TEL.03-3527-3920
【ペアウオッチの選び方③】同じブランドのモデル違いで揃える

同じオールドオメガで共通しているが、それぞれデザインが大きく異なるモデル/写真◎加藤峰暁
一見するとペアウオッチとは思えないが、実は同じブランドの時計という選択もアリだろう。似たデザインのモデルどうしだとペアウオッチ感が高まるし、写真のようにまったく異なるデザインのモデルで実は同じブランドだというさり気ない揃え方も面白い。
写真はどちらもオメガのアンティークモデルであるが、同じブランドの現行モデルとアンティークモデルで揃えてみるのもいいし、丸形モデルと角形モデル、機械式モデルとクォールモデルなどを選ぶのもいい。あくまで同じブランドというだけで選択の幅は非常に広く、さり気ないペアウオッチ感が楽しめるのが魅力的だ。
【ペアウオッチの選び方④】同じ作品のキャラクター違いで揃える

フォッシルから発売されたディズニーのミッキーとミニーをモチーフにしたモデル
同じ作品内のキャラクター違いで揃えるという楽しみ方は、キャラクターをモチーフにした時計ならではの楽しみ方だ。同じ作品をパートナーと共有でき、そのキャラクター関連の映画や施設・テーマパークに出かける場合などにも気分を高めてくれるだろう(写真の2モデルであれば、ディズニーランドに行く際のペアウオッチ、ペアコーデに最適だ)。
各種キャラクターとのコラボウオッチは多くのブランドから定期的に発売されているが、人気作品のものはすぐに売り切れとなってしまうことも少なくないため、注意が必要だ(※写真右のミッキーモデルは25年4月末時点で、在庫僅少となっている)。
【問い合わせ先】
フォッシルジャパン
TEL.03-5992-4611
ここまでペアウオッチの四つの選び方を紹介したが、これらはあくまでひとつの例にすぎない。たとえブランドやモデルが違っても素材やデザインを揃えてみたりと、十人十色の楽しみ方があるだろう。ひとりで両腕に時計を着けて“セルフペアウオッチ”として楽しむのも面白いかもしれない。時計のひとつの選び方として、ペアウオッチという概念が今後ますます広まっていくことに期待したい。
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文◎市村 信太郎

音楽・教育業界を経て2023年より編集者としてのキャリアをスタート。時計やメイク、ファッションなどあらゆるものをジェンダーレスに楽しむ。レディース・メンズの垣根を無くしたスタイルの実現を目指すとともに、それを体現する存在になるべく奮闘中。