アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ギャレット
アラームウオッチ
クロノグラフの名門として名高いギャレットは、1950年代に巻き起こったアメリカでのアラームウオッチブームに乗じてア・シールド製のムーヴメントを活用し、このアラームウオッチをリリースした。当時のギャレットがクロノグラフに注力していたことを考えると、生産本数は少なかったことが考えられる。
搭載されるCal.AS1475は当時のアラームウオッチに数多く搭載された汎用機であり、各メーカーのアラームウオッチ生産を支えた傑作と言えるだろう。シンプルで故障が少なく、生産性の高い手巻きのムーヴメントであるため、各社がこぞって採用していたことにもうなずける。

【商品情報】ギャレット アラームウオッチ。GF(36mm径)。手巻き(Cal.AS 1475)。1950年代。32万8000円。取り扱い店/WatchTender 銀座 商品ページに移動
文字盤は、12、3、6、9 の位置にアラビア数字と、アラーム時間を示す赤い先端の針が特徴的な可愛らしいデザインだ。ブランドロゴの“G”を注目すると、“2:50”を指す針が描かれており、ほかのモデルには見られない特徴が確認できる。
ケースの右側には二つのリューズが取り付けられており、2時位置のリューズはアラーム用ゼンマイの巻き上げとアラームの設定に、4時位置のリューズは時計本体の巻き上げと時刻調整として割り振られている。誤動作や故障しにくいシンプルな構造は、使用者にとっても扱いやすく、操作性の向上にも貢献しているのだ。
また、36mm径の小振りなケースと、手首に沿う形状のラグは装着感の良さを高めている。裏ブタにアラーム用のピンを立てる必要があることから、気密性の高いスクリューバック式のケースを採用できなかったアラームウオッチだが、このモデルでは、リング型のスクリューで裏ブタを押し付ける方式を採用し、スナップバック以上の気密性を確保している。
金張りケースを採用した華やかな見た目だが、実用性を重視した堅牢な作りこみからはギャレットらしさを感じられる。どこか脱力感のあるアプライドのアラビアインデックスとケースデザインが柔らかな雰囲気をただよわせる実用時計だ。
【LowBEAT Marketplaceでほかのアンティーク時計を探す】
文◎LowBEAT編集部